米Nuance Communicationsは現地時間2012年1月9日、米Intelが提唱する消費者向けノートパソコンのカテゴリー「Ultrabook」に関してIntelと戦略的提携を結んだことを明らかにした。NuanceはUltrabookの音声関連機能向けに音声認識技術「Dragon」を提供する。

 Ultrabookは、薄型軽量で洗練されたデザインと、高速起動および低消費電力を特徴とする。Dragon技術をUltrabookに統合することで、直感的で自然な会話口調によるデバイス操作が可能になる。ユーザーは、手軽に音声でアプリケーションの起動、メディア再生、SNSサイトへのアクセス、電子メールやカレンダーの利用が行える。

 両社は共同で、Intel製「Core」プロセッサやUltrabookデザインへのDragon技術の最適化に取り組む。また、アプリケーション開発者がDragonをはじめとするNuanceの技術を利用して音声ベースの機能を開発するためのソフトウエア開発キット(SDK)も利用可能にする。当初は、英語(英国・米国)、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語(欧州)、標準中国語、日本語、ポルトガル語(ブラジル)などをサポートし、Intelのアプリケーション配信センター「Intel AppUp」を通じてリリースする。

 米メディアの報道(InfoWorld)によると、2012年は75機種以上のUltrabookが販売されることになるとIntelは見込んでいる。すで市場に投入されているUltrabookの価格は800ドルを超えるが、Intelは年内に699ドル未満まで下げることを目指し、各社と協力しているという。新たに登場するモデルは音声関連機能のほか、タッチスクリーンも搭載する予定。

 なおIntelは、Ultrabookの促進を目的とした3億ドルの基金「Ultrabook Fund」の設立を2011年8月に発表している。

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