アジルネットワークスは2012年1月6日、au携帯電話を社内電話機のように使えるようにする月額制のクラウドサービスを開始した。KDDIがau網で提供している内線電話サービスを利用しやすくする。2010年7月に開始したウィルコム網向けサービスに続く第2弾となる(関連記事)。販売目標は2012年度に5000~1万台。

 サービス名称は「アジルモバイルセントレックス」で、既存のウィルコム網向けサービスと共通。今回のau網向けでは、中核となるサービスとして、KDDIが提供している内線番号サービス「ビジネスコールダイレクト」を利用する。ビジネスコールダイレクトを利用する上で必要になるIP-PBXをアジルネットワークスが保有し、クラウド経由でユーザーに提供することによって、社内にIP-PBXなどの設備が不要になる。

 ベースとなるビジネスコールダイレクトは、au携帯電話網の音声通話を利用して、au携帯電話を社内電話機と同様に使えるようにするKDDIのサービス。au携帯電話上で、携帯電話番号(080/090)による発着信のほか、企業固有の内線電話番号による発着信や、固定電話番号(03番号など)による着信ができる(固定電話番号による携帯電話からの発信はできない)。これにより、外出先でも会社の自席にいるのと同じような電話環境を得られる。

 アジルモバイルセントレックスでは、ビジネスコールダイレクトで必要になる設備(企業ごとに固有のIP-PBX設備と、IP-PBXとKDDIとを結ぶIP接続ネットワーク部分)をアジルネットワークスのデータセンターに設置し、これをクラウドサービスとして月額制で提供する。また、クラウド型IP-PBXの基本機能としてアジルネットワークスが提供している各種のIP電話機能(無料の内線通話や、保留転送などのビジネスフォン機能)も利用可能。クラウド型IP-PBXは、社内電話機やソフトフォンなど任意のSIPクライアントから利用できる。

 利用料金(税込み)は、初期費用が契約企業ごとに2万1000円、端末1台ごとに4725円から。月額費用は契約企業ごとに6300円、端末1台ごとに4725円から。なお、これらには、ビジネスコールダイレクトの利用料金が含まれている。