経営問題に揺れるオリンパスで、解任された元社長のマイケル・ウッドフォード氏は復帰を断念することを明らかにした。理由は、機関投資家ら日本の大株主の支援が得られなかったためという。一時は臨時株主総会での経営権争奪戦を目指していたが、その動きはいったん収束となる。

 ウッドフォード氏は、復帰に備えて自らを支える新経営陣の選出をしており、海外の機関投資家との話し合いも進めてきた。不祥事があっても、「オリンパスの医療や精密機械事業は強さを保つ」と製品力に自信を持ち、経営改革を目指していた。

 しかし、今後のオリンパスの経営について、国内と海外の株主の考え方が異なり、決定的な対立を招く可能性があるため、「オリンパスの将来を考えて対立をもたらすことは本来の望む結果ではない」と声明文を発表し、復帰活動の収束を宣言した。

 ウッドフォード氏はこの声明文で、日本企業の株式の持ち合いにより日本の機関投資家は経営陣と馴れ合いをしており、国際競争が激しくなる中で、日本企業の構造的欠点となると批判している。

 一方で、オリンパスの従業員に感謝を示すとともに、真の再生のために経営陣の体質について今後も明らかにしていくとする。同氏は6日午後に東京で記者会見を予定している。