写真1●Field Reportsが生成したPDFの例。サロゲートペア、異体字セレクタ、グリフ名参照文字を使って、IPAmj明朝フォントに含まれる字形をそれぞれ表示させた
写真1●Field Reportsが生成したPDFの例。サロゲートペア、異体字セレクタ、グリフ名参照文字を使って、IPAmj明朝フォントに含まれる字形をそれぞれ表示させた
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 フィールドワークスは2012年1月5日、PHPなどの軽量言語からPDF形式の帳票を簡単に生成できるようにする開発コンポーネントの新版「Field Reports 1.4」(写真1)を発表した。新版では、フォント機能を高め、帳票中で任意の字形を表現できるようにした。1月30日に販売開始する。

 Field Reportsは、業務アプリケーションに組み込んで使う、帳票生成用のコンポーネント部品である。あらかじめPDF形式の帳票テンプレート(ひな型)を用意しておき、業務アプリケーションからテンプレートに対して項目名と値をセットすることによって、個々の帳票を生成する。テンプレートは、Adobe AcrobatなどのPDF作成/編集ソフトで作成する。

 特徴は、Java環境と.NET Framework環境に加え、軽量プログラミング言語(Python、Ruby、Perl、PHP)から利用できること。これらの言語用にライブラリを用意している。プログラム内で項目名と値を指定すると、内部的にJSON形式のデータを生成し、これとテンプレートを利用して帳票を生成する仕組み。別途、テンプレートとJSONデータを使って帳票を生成するコマンドラインプログラムも用意している。

 新版ではフォント機能を強化した。まず、生成するPDF帳票にフォント(OpenTypeおよびTrueType)を埋め込めるようにした。これにより、PDFを閲覧する環境に同一のフォントがなくても表示できるようになった。さらに、表示できる字形を増やした。従来版ではUnicodeの基本文字しか使えなかったが、新版ではUnicodeの全文字を表示できる。さらに、フォントが固有に持つ文字番号(CID/GID)やグリフ(字形)名を利用して、Unicodeに割り当てられていない字形も利用できるようにした。

 稼働OSごとに、Windows版、Linux版、Mac OS X版を用意した。エディション構成は、作成できる帳票の種類に応じて二つ用意した。機能上位版の「Standard」は、複合帳票(表紙と帳票本体で構成する帳票)と連続帳票(複数枚で構成する帳票)を作成できる。価格は12万6000円(税込)。機能下位版の「Lite」は、出力できる帳票を単票(ページ数固定の帳票)に限定した。価格は5万2500円(同)。