総務省は2011年12月27日、「大規模災害等緊急事態における通信確保の在り方に関する検討会」の第8回会合を開催した。今回は検討会の最終取りまとめが提出された。取り上げられている主なテーマは、緊急時に音声通話がつながりにくくなる輻輳(ふくそう)状態への対応や、基地局などが被災した場合の通信手段確保、震災を踏まえたネットワークインフラの在り方、震災を踏まえたインターネット利用の在り方、である。

 今後のアクションプランについても、各テーマごとにまとめている。目新しいのは基地局などが被災した場合の通信手段確保で、110や119などの緊急通報に限った携帯事業者間ローミングに触れていることである。通信方式の違いなど事業者間の課題解決を前提としながらも、「平時も含む緊急通報に限定したローミングの早期実現に向けて協議の場を早急に設けて検討する」とした。意見募集において、NTTドコモはコスト負担やKDDIとの通信方式の違いなどを理由に反対している。

 このほか、例えば緊急時の輻輳状態については、「災害用伝言サービス間の横断的な検索が可能になることを早期に実現する」「異なる事業者間で音声メッセージのデータ送信できるサービスを早期提供する」など、音声通話を使わずに安否を確認する手段の提供に力を入れた内容になっている。

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