写真●スマートバックアップソリューションを構成するストレージ「iStorage HS3-30T」の概観
写真●スマートバックアップソリューションを構成するストレージ「iStorage HS3-30T」の概観
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 NECは2011年12月21日、データバックアップを効率化するシステム製品「スマートバックアップソリューション」を発表した。NECのバックアップ用NASストレージ「iStorage HSシリーズ(HYDRAStor)」(写真)と、シマンテックのバックアップソフト「Symantec NetBackup」を組み合わせ、リストア時間を短縮できるようにした。12月28日に出荷する。価格は450万円(税別)から。

 増分(または差分)バックアップのイメージからフルバックアップのイメージを再構成する作業を、ストレージの内部で高速に実行できるようにした。このための仕掛けとして、バックアップソフト(NetBackup)が動作するバックアップサーバーからストレージ(iStorage HS)を遠隔制御できるようにした。なお、バックアップサーバー上で動作する遠隔制御モジュールとNetBackupは、NetBackupが用意している連携API(OST)経由で連携する。

 フルバックアップイメージの再構成は、本来であれば、再構築に必要な全データをストレージからNetBackupサーバーに読み込んできたあとで、NetBackupサーバー上で実行する作業である。これを、NetBackupサーバーからストレージへと指示を出すことによって、ストレージに実行させる。ストレージ上にフルバックアップイメージがあれば、その都度フルバックアップイメージを生成する必要がないため、リストア作業が短時間で終わる。

 なお、ストレージ側で増分(または差分)のイメージからフルバックアップのイメージを高速に生成するためには、ストレージの重複排除機能が前提となる。重複排除では、データの重複を検知/判断するためのデータごとのマッピング情報を持っており、この情報を利用すればNetBackupが生成した増分(差分)バックアップイメージのブロックデータと、重複排除ストレージ側で管理しているデータ単位とをひも付けて管理できる。これにより、増分(差分)イメージを利用してフルバックアップイメージを再構成する作業が、マッピングの変更だけですぐに終わる。

 システムの構成要素は、以下の通り。ストレージは、iStorage HSのエントリー機種「iStorage HS3-30T」を使う。NetBackupは、バックアップ管理サーバー1台分と、バックアップ対象の業務サーバー側で必要なクライアント1台分、外部バックアップストレージを使うためのライセンスなどが一式含まれる。