日東電工は2011年12月19日、同社の新販売システムの構築に関する損害賠償として24億4677万円を求めて、ベンダーであるフューチャーアーキテクト(フューチャー)を提訴したと発表した。提訴の理由について日東電工は、「フューチャーが契約上の義務を履行しなかったことによって当社がこうむった損害については、その賠償を求める必要があると考えた」との趣旨を主張している。今回の提訴は、フューチャーが日東電工に請負代金など約15億円の支払いを求めて09年11月に提起した訴訟の反訴に当たる。

 日東電工の反訴を受けフューチャーは12月20日、「訴訟(反訴)の提起がなされたことに関するお知らせ」を公表。「本訴提起から2年以上が経過し、争点の整理も相当に進んできている今に至り、何ら根拠も合理性もない反訴提訴を行う日東電工の姿勢は、争点を拡散させ、訴訟の進行をいたずらに遅延させるばかりと危惧している」との趣旨を述べている。

 09年11月にフューチャーが日東電工を訴えた裁判では、日東電工の新販売システムの最終成果物が完成したかどうかや、納品したかどうかが争点になっている。両社が提出した裁判資料によると、フューチャーは日東電工の新販売システムについて「契約に基づいて完成させた」との趣旨を主張している。これに対し日東電工は「フューチャーが送付してきたものは、成果物として完成の域に至っているとは到底思えない」との趣旨を主張して反論するなど、両社の主張は平行線をたどっていた。