富士通は2011年12月20日、Javaアプリケーションサーバー・ソフトの新版「Interstage Application Server V10.1」の販売を開始した。Java規格を現行版「Java EE 6」へと刷新し、開発生産性を高めた。12月27日に出荷する。

 Interstage Application Serverは、JavaベースのWebアプリケーションを開発・実行するための基盤ソフト。J2EE/Java EEの基本機能(Servlet/JSPとEJBの実行環境)やSOA/Web Service連携機構を中核に、エディションに応じてレガシーアプリケーションを活用するためのCORBA/IIOP連携機構やCOBOL/C++実行環境を提供する。

 今回の新版では、Java規格を現行版のJava EE 6(Servlet 3.0、EJB 3.1、JPA 2.0など)に引き上げ、開発生産性を高めた。例えば、これまでは別途作成する必要があったweb.xml(Servletの名前や呼び出し方を設定するXMLファイル)の記述を、一文で表現できるようにした。また、アプリケーションの動作検証がJava VMだけでできるようになり、テスト用のアプリケーションサーバーを構築する必要がなくなった。

 新版ではさらに、スマートフォン/タブレット端末向けのアプリケーション開発フレームワーク「jQuery Mobile」を搭載した。スマートフォン/タブレット端末の画面に合わせたツールバーやボタンなどの部品群を、HTMLの知識だけで開発できるようにした。

 Interstage Application Serverの主な特徴は、複数のJava VMを束ねて負荷分散/高可用性クラスタリング構成がとれることと、これに関連して、Webアプリケーションの応答速度を著しく低下させるフルGC(ガベージコレクション)の影響を受けずに済む工夫をしていること。具体的には、フルGCが起こりそうなJava VMをクラスタから切り離し、フルGC後に再度クラスタに組み入れる運用ができる。

 代表的なエディションの概要と価格(税別)は以下の通り。稼働OSは、Windows Server 2003/2008、Red Hat Enterprise Linux 5/6、Solaris 9/10/11。(1)標準版「Interstage Application Server Standard-J Edition V10」は、J2EE/Java EEの基本機能を提供する。価格は55万円から。(2)上位版「同Enterprise Edition V10」は、Standard-J Editionの機能に加え、CORBA/IIOP機構やCOBOL/C++実行環境を提供する。価格は280万円から。