NTTドコモ 経営企画部 課長の大井達郎氏
NTTドコモ 経営企画部 課長の大井達郎氏
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ネットワーク上のサーバーにデータを投げて重たい処理を任せることで、より高度なサービスが提供できるとした
ネットワーク上のサーバーにデータを投げて重たい処理を任せることで、より高度なサービスが提供できるとした
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高速通信を利用すれば、まだ実験的な活用にとどまっているAR(拡張現実)がさまざまな分野でより実用的に利用できるかもしれない
高速通信を利用すれば、まだ実験的な活用にとどまっているAR(拡張現実)がさまざまな分野でより実用的に利用できるかもしれない
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 待望のスマートフォンが登場し、一般ユーザーからの注目が高まりつつあるNTTドコモのLTE対応端末「Xi」(クロッシィ)。24時間通話し放題などのXi限定料金プランも用意され、興味を持ち始めた人も多いだろう。Xiの特徴や今後のサービス展開などの展望を、NTTドコモ 経営企画部 課長の大井達郎氏が解説した。

 Xiが採用するLTEは通信速度が最大37.5Mbpsと、現行のFOMAと比べて圧倒的に高速なうえ、タイムラグ(遅延)が少ない点がポイントだと語る。講演では、Flashを多用したWebサイトの表示やYouTubeの動画再生をXiとFOMAのスマートフォンで比較していたが、画面が表示されるまでに大きな差がついた。

 これだけ通信が高速で遅延が少なくて済むと、クラウドサービスと密に連携した活用方法が実用的になるという。つまり、スマートフォン本体と比べて記憶容量や処理性能に勝るサーバーに必要なデータを投げ、処理された結果を迅速に返してもらうことで複雑な処理をリアルタイムにこなすわけだ。

 具体的な活用方法の1つとして挙げたのが、日本語で話すだけで英語の音声とテキストに翻訳して相手に伝える“通訳電話”だ。サーバー側で言語認識や翻訳処理を実行するため、翻訳した内容を最小限のタイムラグで相手に伝達できる。

 通信速度の速さや高度なサービスの提供が魅力のXiだが、パケット通信料金は現行のFOMAと同様の使い放題とはならない。Xiのパケット定額サービス「Xiパケ・ホーダイ フラット」では、通信料の多いユーザーに対してのトラフィックコントロールが実施される。月間の通信量が7GB超えた時点で通信速度が最大128kbpsに抑制され、2GBごとに2625円の追加料金を支払うことを了承することで速度制限なく継続して高速通信できる仕組みだ(2012年9月末まではキャンペーンとして追加料金なしで高速通信できる)。

 スマートフォンを思い切り楽しみたいユーザーにとっては懸念材料となるが、大井氏は「99.5%のユーザーは7GB以内に収まると見込んでおり、一般的な使い方ならば速度制限や追加料金の心配はいらない」と語る。つまり、大半のユーザーはXiの高速回線を利用してスマートフォンやタブレット端末が思う存分楽しめるわけだ。