写真1●日本デジタルオフィスの濱田潔代表取締役社長
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写真2●日本マイクロソフト 業務執行役員 パートナー&クラウド推進本部長の平野和順氏
写真2●日本マイクロソフト 業務執行役員 パートナー&クラウド推進本部長の平野和順氏
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写真3●ぴあ メディア局 映画グループの岡政人氏
写真3●ぴあ メディア局 映画グループの岡政人氏
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 日本デジタルオフィスと日本マイクロソフトは2011年12月15日、2社が提供する電子書籍クラウドサービス「DO!BOOK[SV]」が、12月16日にぴあが刊行する電子書籍「ぴあ+<plus>」に採用されたと発表した。新刊電子書籍へのサービス提供にあたり、2社はDO!BOOK[SV]の機能を拡張。電子書籍コンテンツをクラウドストレージに直接アップロードできる機能などを追加した。

 DO!BOOK[SV]は、電子書籍を作成、配信するためのクラウドサービス。PDFから電子書籍コンテンツを作成し、Windows Azureへ自動アップロードする。作成されるコンテンツはHTML5で記述されるため、専用のビューアアプリケーション無しに、HTML5に対応するすべての端末から閲覧できるのが特徴だ。日本デジタルオフィスの濱田潔代表取締役社長(写真1)は、「端末によってHTML5への対応にはバラつきがあり、機種によってはピンチイン/ピンチアウトの操作ができない場合があるが、可能な限り動作するようにしている」と説明する。

 今回、「ぴあ+<plus>」に提供した機能強化版のDO!BOOK[SV]は、電子書籍コンテンツをAzureストレージに直接アップロードする。「AzureストレージはWebサーバー機能も備えており、ストレージだけでパソコンやスマートフォンからのアクセスを処理できる構成だ」(日本マイクロソフト 業務執行役員 パートナー&クラウド推進本部長の平野和順氏、写真2)。

週刊映画館スケジュールを提供、ジブリ専門誌も

 12月16日に刊行する「ぴあ+<plus>」は、7月21日発売号を最後に休刊した雑誌「ぴあ」の電子書籍版だ。ぴあ メディア局 映画グループの岡政人氏(写真3)によると、雑誌「ぴあ」の休刊後は映画サイト「ぴあ映画生活」で映画情報を配信していたが、雑誌に掲載していたカレンダー形式の映画館スケジュール情報の復活を望む声が多かったという。

 そこで今回、電子書籍「ぴあ+<plus>」として、週ごとの映画館スケジュール情報をブック形式で提供するに至った。「DO!BOOK[SV]はPDFから電子書籍コンテンツを作成する。そのため、雑誌の電子化にあたって、自動組版システムなど既存の紙面作成資産をそのまま活用することができた」(岡氏)。

 「ぴあ+<plus>」では、毎週の映画館スケジュールが中心の「通常版」のほか、特定の映画作品にフォーカスした「特別号」や「増刊号」、広告主のPR冊子「PR」なども提供する。また、「ぴあ+<plus>」と同じシステムを利用して、ジブリ映画専門の電子フリーペーパー「電子ジブリぴあ」を同日から配信する。