写真1●Veritas Storage Foundation製品群のインストール画面
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写真2●Veritas Storage Foundation製品群6.0について説明する、米Symantec ストレージ及びアベイラビリティ管理グループ リージョナル・プロダクト・マネジメント テクニカル・プロダクト・マネジメント担当ディレクターのポール・ベルク氏
写真2●Veritas Storage Foundation製品群6.0について説明する、米Symantec ストレージ及びアベイラビリティ管理グループ リージョナル・プロダクト・マネジメント テクニカル・プロダクト・マネジメント担当ディレクターのポール・ベルク氏
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 シマンテックは2011年12月15日、ストレージ管理ソフト群の新版「Veritas Storage Foundation製品群6.0」を発表した。新版では、ファイルシステム製品においてストレージの利用効率を高めたほか、高可用性クラスタリング製品においてシステム復旧時間を短縮した。ライセンスは、従来のCPU単位からコア単位へと改訂した。12月20日に出荷する。開発会社は米Symantec。

 今回、ストレージ管理ソフト群(データバックアップを除く)を、いずれも新版「6.0」へと一新した。製品群の特徴は、マルチプラットフォーム環境(Windows、Linux、UNIX)で動作すること。中核ソフトは二つあり、(1)「Veritas Storage Foundation 6.0」(ファイルシステムのCluster File Systemとボリューム管理ソフトで構成)と、(2)「Veritas Cluster Server 6.0」(高可用性クラスタリングソフト)---である。

 新版では、中核ソフト2製品を強化した。具体的には、(1)ファイルシステムのCluster File Systemに、データ圧縮機能と重複排除機能を追加した(関連記事1)。(2)クラスタリングソフトのVeritas Cluster Serverでは、システム復旧時間を短縮するため、アプリケーション障害をリアルタイムに検知できるようにした(関連記事2)。

ファイルシステムでの重複排除が有効

 (1)ファイルシステムソフトの層でデータ圧縮・重複排除を実行するメリットは、ストレージやアプリケーションなど周辺のプラットフォーム環境に依存することなくデータを削減できる点である。シマンテックでは、同社のストレージ管理製品群がマルチプラットフォームで動作する優位性をアピールしている。

 Cluster File Systemが重複を排除するタイミングはポストプロセスで、専用コマンドの起動によってファイルシステム全体を対象に重複排除を実行する。将来的には、データを書き込んだ際にリアルタイムに重複を排除するほか、いったん元データに戻すことなくバックアップソフトにデータを引き渡せるようにする。

 製品発表会では、重複排除の効果を検証した結果を公表した。

 (a)検証実験の一つとして、VMware環境の仮想サーバー200台(5種類のOSを40台ごと)の環境に適用した。仮想サーバーイメージを格納するストレージ容量は、標準状態(2Tバイト)の20分の1(100Gバイト)に削減できた。また、これらの仮想サーバーを一斉に立ち上げた際の起動時間は、標準状態(600秒)の10分の1(60秒)程度で済んだ。

 (b)検証実験の一つとして、オフィス系のデータ(Windowsのマイドキュメントフォルダーの中身)に適用した。同一部署に所属するシステムエンジニア5人のフォルダーに適用したところ、総容量が標準状態(100Gバイト)から6割減の40Gバイトに減った。一方、データの読み込み時間は若干遅くなった(時間当たりのデータ転送量が10%減)。