写真●サーバーソフトウエアのモニター画面(左)と管理対象であるPC(右)
写真●サーバーソフトウエアのモニター画面(左)と管理対象であるPC(右)
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 富士通研究所は2011年12月14日、複数拠点にある蓄電池をクラウド上にあるサーバーから制御する技術を開発したと発表した。これにより蓄電池が充電するタイミングをコントロールし、地域におけるピーク電力を抑える。

 富士通研究所が開発したサーバーソフトウエアが、その地域における過去の電力消費実績などを基に、今後電力ピークが発生する時刻や電力値を、複数パターンからあらかじめ予測しておく。その上で実際の消費電力を計測し、今後どのパターンで電力がピークになるかを判定。予測パターン通りにならないよう、蓄電池を制御する仕組みだ。

 実際に富士通グループ社内でノートPCを対象に、この技術を適用したところ、約10%ピーク電力を削減できたという(写真)。企業でノートPCを使うと、昼間は内蔵するバッテリー(蓄電池)を使って動作させた後、一斉に夕方や夜間にバッテリーの充電を開始するという使い方が多い。すると、夕方や夜間に電力消費のピークが来てしまう。

 そこでクラウド上にあるサーバーから各ノートPCに制御ポリシーを配布し、充放電のタイミングを指定する。ノートPCには、各PCメーカーが提供する節電ソフトをインストールしておき、富士通研究所が開発したPC用制御ソフトと連携させる。PC用制御ソフトは節電ソフトの機能を利用することにより、バッテリーの電力を使うか、ACアダプタから給電するかをポリシー通りに制御する。

 将来的には、より大型の蓄電池や、ビル内の蓄電池を管理するBEMS(ビルエネルギー管理システム)などとの連携も実現する。富士通研究所は今後実証実験や機能強化を進め、2013年末か2014年には実用化したい考えだ。