オリンパスと大王製紙は2011年12月14日、内部統制報告制度が適用になった09年3月期から11年3月期までの3期分の「内部統制報告書」の訂正報告書を提出したと発表した。両社とも提出当初は該当年度の内部統制の整備・運用状況について「有効である」としていたが、内部統制が有効でない旨を示す「重要な欠陥」があると訂正した。両社とも同日に不適切な会計処理に伴い、07年3月期以降の決算報告を訂正している。

 オリンパスは「重要な欠陥」を開示した理由について、「複数の元経営者による不当な目的による共謀によって、全社的な内部統制の重要な一部として経営者の業務執行を監督ないし監査すべき取締役会と監査役会が有効に機能しなかった」ことや、「企業風土やコンプライアンスの意識における問題の存在、さらに内部通報制度も適切に機能しなかった」ことを挙げている。

 同社は再発防止策として、(1)旧経営陣の一新、(2)ガバナンスの徹底的な見直し、(3)経営監視体制の強化、(4)社外取締役、社外監査役の充実、(5)監査役、監査役会の意識改革、(6)職場環境つくりおよび役員、職員の意識改革、の6点を挙げた。

 大王製紙は不適切な会計処理が起こった主な原因として4点を挙げる。(1)内部統制環境、(2)役職員の会計・経理の理解不足、(3)取締役会・監査役会への情報提供不足、(4)諸規定の見直し不足等、である。その上で、「全社的な内部統制および決算・財務報告プロセスに関する内部統制に重要な欠陥があったため、適切な会計処理が行われていなかったものと認識している」としている。

 同社は再発防止策として、(1)経理規程、決算マニュアル等の改訂などをはじめとした決算・財務報告プロセスの見直し、(2)監査役監査および内部監査体制の強化、(3)関係会社管理の強化のための関係会社管理規程の見直し、(4)内部通報制度の規定見直し、および社外の通報受付窓口(弁護士)の設置、(5)当社と関連当事者との取り引き、連結子会社と関連当事者との取り引きの是正、および関連当事者間の取り引きを漏れなく適切に把握する仕組みの構築、の5点を挙げている。