米Hewlett-Packard(HP)は現地時間2011年12月9日、モバイルプラットフォーム「webOS」をオープンソース化すると発表した。webOSのソースコードをオープンソースライセンスのもとで開発者コミュニティーに公開し、今後もwebOSの開発およびサポートに積極的に関わる。

 webOSはHPが2010年7月に米Palmを買収した際に獲得した。2011年7月には米Appleのタブレット端末「iPad 2」に対抗する製品としてwebOSベースの「HP TouchPad」を発売し、webOSの成長加速を目指した人事異動も実施した(関連記事:HP、「webOS」の成長加速を目指した人事異動を発表)。しかし同事業は期待ほど伸びず、8月にwebOS搭載タブレットおよびスマートフォンの開発を打ち切る方針を明らかにした。その際、webOSについては「その価値を生かせる選択肢を検討する」としていた。(関連記事:HPがwebOS事業を打ち切り、PC部門の分離検討)。

 HP社長兼最高経営責任者(CEO)のMeg Whitman氏は「webOSをオープンソース化することによりオープンソースコミュニティが創造性を発揮し、新世代のアプリケーションとデバイスを推進できるよう支援する」と述べている。開発者、パートナー、HPの技術者、および他のハードウエアメーカーは、webOSの強化と新版の市場投入を行うことができる。

 またHPは、webOS向けアプリケーションフレームワークであるENYOも近い将来オープンソースコミュニティに提供する。その他ユーザースペースのコンポーネントなどについても提供する計画という。

 なお米メディアの報道(TechCrunch)によると、Whitman氏は2013年にはwebOS搭載タブレットを開発する計画だと語っている。また2012年は米Microsoftの「Windows 8」を搭載したタブレット端末を投入する。Whitman氏は9月にCEOに就任して以来、Personal Systems Group(PSG)の分離を取りやめるなど戦略の見直しを図っている。

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