総務省は2011年12月9日、携帯向け900MHz帯の割り当て審査基準である「3.9世代移動通信システムの普及のための特定基地局の開設に関する指針案(開設指針案)」について、電波監理審議会から適当との答申を受けたと発表した。総務省は2011年12月中旬に携帯電話事業者の申請を受け付けるとしており、プラチナバンドと呼ばれる900MHz帯1席をめぐる携帯電話事業者の争奪戦が始まる。

 900MHz帯割り当ての審査基準は、総務省が2011年10月21日に公表した内容(関連記事)から大幅な変更はなかったが、記述をより明確にした。例えば、事業者を比較する際の基準(競願時審査基準)において、「割り当てている周波数の差異および周波数のひっ迫状況を勘案して」とあった部分に、「周波数の有無」を含むことを明記した。これは新規参入事業者も公平に審査できるようにしてほしいという意見募集の結果を取り入れたものという。

 このほか、「他の電気通信事業者多数のものに対する基地局の利用を促進するための具体的な計画がより充実していること」という審査基準で、利用促進にMVNO(仮想移動体通信事業者)が含まれていることを明記した。

 2011年11月21日に実施された行政刷新会議の周波数オークション仕分けで指摘のあった「透明性の確保」も考慮し、修正を加えた。例えば移行費用負担において、移動無線センター(MCA制御局の免許人)やICタグ(RFID)の製造業者などが、免許割り当てを受けた携帯電話事業者から対価を受け取ってはいけないというものである。

 今後のスケジュールについては、総務省は2011年12月中旬から携帯電話事業者からの申請を受け付け、2012年1月下旬に申請を締め切る。その後に審査を開始し、2012年2月下旬に900MHz帯を割り当てられる携帯電話事業者1社が決定する。

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