米Gartnerが現地時間2011年12月8日に発表した調査予測によると、2012年における世界半導体市場の売上高は前年から2.2%増の3090億ドルにとどまり、同社従来予測の4.6%増には届かない見通し。

 「世界経済に影響を及ぼすユーロ圏への懸念が続いており、高まる不透明感が消費者や法人市場に影響を与えている」と、Gartnerリサーチ担当バイスプレジデントのBryan Lewisは述べている。

 同社によると、2012年におけるパソコン生産台数の前年比伸び率は従来予測の10.1%から5%に低下する。景気低迷に加え、タイの洪水によるハードディスク装置(HDD)不足がパソコン市場の成長を鈍化させる。HDD業界全体が本格回復するまで今後数四半期にわたってパソコン生産が抑制されるとしている。

 一方でGartnerは、携帯電話生産台数の前年比伸び率を従来予測の7%から7.5%に上方修正した。メディアタブレットは1億700万台とまだ比較的規模は小さいものの。同63%増と伸び率は高い。2012年はスマートフォンがけん引し、半導体市場の成長を支えていくと同社は見ている。

 また2011年における世界DRAM市場は前年から26%減少する見込みだが、これが2012年には3%増と成長に転じる。中でもNAND型フラッシュメモリーは消費者向けモバイル端末の成長に支えられ、同16.6%増と高い伸びで推移するという。

 このほか同社は、スマートフォン、メディアタブレット、半導体ディスク(SSD)を合わせた売り上げの伸びは、2015年までの半導体市場全体の成長率の77%を占めると予測している。

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