連結会計ソフトを開発・販売するディーバは、連結会計ソフトの新版「DivaSystem 9.6」の提供を開始した。IFRS(国際会計基準)そのものを自国の会計基準として採用する強制適用に対応するための機能を備えたことが特徴だ。IFRSが規定する連結決算の手続きや、IFRS適用時の決算早期化などを支援する機能を強化した。

 IFRSが規定する連結決算への対応機能では、未実現利益の処理やのれんの非償却・減損などについての機能を追加した。このほかIFRSに基づいた連結財務諸表は注記の記載量が増加することから、注記の分析ツール「DataViewer」に連結範囲を表示する機能を追加し、連結範囲を加味して注記データを分析できるようにした。

 決算早期化に向けた機能強化では、連結決算作成に向けて親会社とグループ会社がコミュニケーションをとるための機能を強化。親会社からグループ会社へ情報を発信するための「お知らせ機能」を利用する際に、ユーザー単位や会社単位で情報の発信先を選べるようにした。このほか決算早期化の支援機能として、キャッシュフロー分析などを搭載した。

 新版の機能強化は、「IFRSの早期(任意)適用を進めている企業のノウハウを反映している」とディーバは説明する。ディーバは10年11月に出荷した前版の「DivaSystem 9.5」で、IFRSと日本の会計基準の双方に基づく財務諸表を作成する複数元帳機能などを提供していた(関連記事:IFRSと日本基準の財務諸表を同時に作成、ディーバが連結会計ソフトの新版 )。すでにDivaSystemを利用している場合、9.6版へのバージョンアップは保守費の範囲内で可能だ。ディーバは今後1年間で新規に50社への導入を目指している。