セキュリティ関連会社の米Fortinetが現地時間2011年12月6日にまとめたモバイルマルウエアに関する調査結果によると、米GoogleのモバイルOS「Android」を狙ったマルウエアファミリーは昨年と比べ90%増加した。米AppleのモバイルOS「iOS」向けマルウエアファミリーの25%増と比べると、Android向け脅威が急速に拡大していることが分かる。

 Fortinetの研究部門が確認したAndroid向けマルウエアファミリーの数は、米AppleのモバイルOS「iOS」向けの約5倍に及んだ。米Gartnerが11月に発表した調査結果では、2011年第3四半期における世界スマートフォン市場はAndroidの販売台数がシェア52.5%を占め、iOSのシェア15.0%を3.5倍上回った(関連記事:2011年Q3の世界スマートフォン市場、「Android」のシェアが5割超える)。Android対iOSの比率がマルウエア数の場合と販売台数シェアの場合で開きがあることについてFortinetは、iOSアプリケーションの配信にはAppleの審査が必要であるのに対し、Androidアプリケーションは簡単に登録して配信できる点を指摘している。Fortinet上級モバイルアンチウイルス研究者のAxelle Apvrille氏は、「残念なことに、Androidの市場シェアが拡大していることとオープンな開発環境が、大きな代償を招いている」と述べた。

 またFortinetは、2011年に研究部門が最もサンプルを受け取ったAndroid向けマルウエアのワースト5を発表した。1位はボット型ウイルス「Geinimi」、2位はトロイの木馬「Hongtoutou」だった。以下「DroidKungFu」「JiFake」「BaseBridge」となっている。

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