欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会(EC)はベルギーで現地時間2011年12月6日、米Appleと欧米の大手出版社5社が電子書籍の価格をめぐって不当な協定を結んでいた疑いがあるとして、正式調査を開始したと発表した。

 調査対象とするのはAppleのほか、フランスHachette Livre、米Harper Collins、米Simon & Schuster、英Penguin、ドイツVerlagsgruppe Georg von Holzbrinck。

 欧州委員会によると、これら5社の出版社はAppleと協力し、欧州経済領域で電子書籍の販売に影響を及ぼす反競争行為に関与した疑いがある。今後、Appleと出版社が違法な契約を結んでいたか否かを調査するほか、出版各社がほかの小売店と結んだ契約の内容も調べるとしている。

 欧州委員会は今年3月にEU各国の関係企業への立ち入りを行うなど、英国公正取引局(UK Office of Fair Trading:OFT)と協力して予備調査を進めていた。OFTは行政上の理由から調査をいったん中止したが、やがては再開する予定で、欧州委員会とOFTは今後も緊密に連携していくとしている。

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