日本ヒューレット・パッカード取締役 副社長執行役員 パーソナルシステムズ事業統括の岡 隆史氏。「新しい製品ジャンルを切り開くべく取り組んでいる」。今回の発表は「教育という特化した業種でHPが展開する一つの分かりやすい例になる」と述べた
日本ヒューレット・パッカード取締役 副社長執行役員 パーソナルシステムズ事業統括の岡 隆史氏。「新しい製品ジャンルを切り開くべく取り組んでいる」。今回の発表は「教育という特化した業種でHPが展開する一つの分かりやすい例になる」と述べた
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京セラ丸善システムインテグレーション代表取締役社長の鈴木幹夫氏。「低価格の授業支援ソフトを導入すれば、今後普及が見込まれるデジタル教材や教員支援など新たな投資に振り向けられる」とHP Classroom Managerのメリットを説明
京セラ丸善システムインテグレーション代表取締役社長の鈴木幹夫氏。「低価格の授業支援ソフトを導入すれば、今後普及が見込まれるデジタル教材や教員支援など新たな投資に振り向けられる」とHP Classroom Managerのメリットを説明
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HP MultiSeat Computing導入例の説明スライド。パソコンやネットワークなどICT機器を使用した教室向けの標準的な構成(左)に対し、ディスプレイ、ホストパソコンにつなげる接続機器とキーボード、マウスの一式を各端末として使う「シンクライアント」型の構成(右)を取る。構成図の下部に、導入する場合のそれぞれの価格例を掲示した。例えば、40人教室に生徒用パソコン40台と教員用2台、それらに搭載する支援ソフトを導入する場合の試算は760万円となる。対して、HP MultiSeat ComputingのシステムとHP Classroom Managerを導入する場合281万円になり、479万円のコスト削減効果が見込まれるという
HP MultiSeat Computing導入例の説明スライド。パソコンやネットワークなどICT機器を使用した教室向けの標準的な構成(左)に対し、ディスプレイ、ホストパソコンにつなげる接続機器とキーボード、マウスの一式を各端末として使う「シンクライアント」型の構成(右)を取る。構成図の下部に、導入する場合のそれぞれの価格例を掲示した。例えば、40人教室に生徒用パソコン40台と教員用2台、それらに搭載する支援ソフトを導入する場合の試算は760万円となる。対して、HP MultiSeat ComputingのシステムとHP Classroom Managerを導入する場合281万円になり、479万円のコスト削減効果が見込まれるという
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HP MultiSeat Computingの採用例。中央のホストパソコンに3つの端末をつなげている
HP MultiSeat Computingの採用例。中央のホストパソコンに3つの端末をつなげている
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HP MultiSeat t200 Zero Client(左)。1台のホストパソコンに最大14台まで接続できる。右は2011年6月に発表した「HP MultiSeat t150 Thin Client」。教室での設置レイアウトをより柔軟にしたいというユーザーの要望を受け、t200ではt150が採用するUSB接続に加え、イーサネット接続機能を追加した。サイズは幅111mm×奥行き65mm×高さ28mm。重さは343g。t200には、ホストパソコンにアクセスするための「Microsoft Client Access License(CAL)」込みのモデルと、なしのモデルがある。CAL込みで一般向けモデル(「MultiSeat t200 Zero Client OEM」)の販売価格は1万6800円、アカデミック向けモデル(「MultiSeat t200 Zero Client Academic OEM」)は1万4700円。ボリューム購入するユーザー向けのCALなしモデル(「MultiSeat t200 Zero Client VL」)は8925円。USBマウスとUSBキーボードを同梱する。いずれも2012年1月中旬に発売する。直販および日本HP販売代理店を通じて販売する
HP MultiSeat t200 Zero Client(左)。1台のホストパソコンに最大14台まで接続できる。右は2011年6月に発表した「HP MultiSeat t150 Thin Client」。教室での設置レイアウトをより柔軟にしたいというユーザーの要望を受け、t200ではt150が採用するUSB接続に加え、イーサネット接続機能を追加した。サイズは幅111mm×奥行き65mm×高さ28mm。重さは343g。t200には、ホストパソコンにアクセスするための「Microsoft Client Access License(CAL)」込みのモデルと、なしのモデルがある。CAL込みで一般向けモデル(「MultiSeat t200 Zero Client OEM」)の販売価格は1万6800円、アカデミック向けモデル(「MultiSeat t200 Zero Client Academic OEM」)は1万4700円。ボリューム購入するユーザー向けのCALなしモデル(「MultiSeat t200 Zero Client VL」)は8925円。USBマウスとUSBキーボードを同梱する。いずれも2012年1月中旬に発売する。直販および日本HP販売代理店を通じて販売する
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 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)と京セラ丸善システムインテグレーション(KMSI)は2011年12月5日、授業支援ソフトウエア「HP Classroom Manager」の販売で提携すると発表した。KMSIが単独で同ソフトを取り扱う総代理店となり、同社パートナーによる代理店経由で教育機関を対象に販売する。

 HP Classroom Managerは、主に学校で使うことを想定した授業支援ソフト。授業で使う資料を教員がクラス全員あるいは特定の生徒のパソコンに送り込める。パソコン上でテストを実施する機能があり、生徒が解答を入力したあと回収できる。授業に集中させたいときは、生徒の画面表示・操作ができないようロックする機能や、教員の画面上で、クラス全員の作業画面をサムネイルで一覧する機能もある。チャットやメッセージもできる。ライセンス料は1ユーザー当たり5000円。日本での販売は今回が初めてとなる。

 KMSIによると、2009年に国が実施した、学校の情報化を推進する「スクールニューディール」という施策で補助金が付き、それを契機に電子黒板などICT(情報通信技術)機器の普及が進んだ。しかし現状では、生徒数に対してパソコンの数がまだ少ないなど十分ではない上、現場では有効に活用されていない面もあるため、今後は教員への支援や能力開発へ投資の重点が移っていくとする。これらへの投資を増やしたくても、情報化にかかわる予算は限られており、安価なソフトウエアに対する教育機関からのニーズは高いという。

 HP Classroom Managerは一般的な授業支援ソフトの平均価格帯の約8分の1程度といい、価格競争力を同社はアピールした。KMSIは今後3年間で、全国の小中高等学校および大学の600校に計3万ライセンス分および保守・サポートを提供することで、3億円の売り上げを目指す。

 なお、日本HPは同日、「HP MultiSeat t200 Zero Client」(以下t200)を発表している。同製品は、1台のホストパソコンに複数の端末をつないで、各ユーザーがあたかも自分のパソコンのように利用できる環境「HP MultiSeat Computing」で使う機器。

 HP MultiSeat Computingは日本HPが2010年3月に発表したコンセプト。ホストパソコンに複数つないだ各端末を、一括して管理できる。増設しやすく、導入コストも削減できるという。既に対応製品のホストパソコンや、接続する機器を販売している。今回発表したt200は、接続端末のレイアウトをより柔軟にするための機器。