米IBMは現地時間2011年12月5日、社会福祉事業向けアプリケーションを手がけるアイルランドCuram Softwareを買収することで両社が最終合意に達したと発表した。買収金額などの詳細については明らかにしていない。

 Curamは、政府機関が市民に最適な社会福祉プログラムを提供し、より効率的にサービスを実施して進捗状況を継続的に確認するためのアプリケーションを手がけている。世界各国で保健福祉、労働、社会保障関連などの80以上のプロジェクトが同社の製品を採用している。

 Curamの設立は1990年で、従業員は約700人。アイルランドのダブリンに本拠を置いている。IBMとは1999年より提携関係にあり、Curamの顧客の90%以上がIBMの「WebSphere」ミドルウエアを、約70%がIBM製システムを使用しているという。

 IBMは、高度にIT化された持続可能な都市「Smarter Cities」の実現を目指す取り組みを進めており、Curamを買収することでこの取り組みを拡充したいとしている。IBMは昨年、Smarter Citiesの技術センターをダブリンに開設し、自治体、大学、企業などと協力して研究開発を行っている。IBMはこれに加え、社会福祉プログラム管理に向けた新たなビジネスモデルの開発および実装に注力するCuramの研究施設を獲得する。

 買収後、CuramはIBMのソフトウエア部門に統合される予定。買収手続きの完了は年内を見込んでいる。

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