iPadはまさに、最初のMacを作ったときにスティーブ・ジョブズが本当は欲しかった物なのだと、私は確信している。安くて、持ち運ぶのも使うのも簡単で、まわりをいじるのにはクローズドで完全に自己完結している。

なので、『M.I.C Gadget』の『iStation』が、Macではなく、米Apple社の最初のコンピューター『Apple I』をまねているのは皮肉なことだ。ここで「まねている」と言っているのは、「木製を模したケースの上に画面が置かれる」ことを指す。

iStationは、上部にiPadを支える取り付け場所があり、Bluetooth接続でいろいろなことができる。キーボードとスピーカーからなる本体をiPadとペアリングしたら、Apple社の初代DIYマシンを使っているふりができる。ただしApple Iとは違って、カラーで音は出るし、たくさんのメディアや制御キーがある。

私はどちらかというと白を選ぶ。木よりプラスティックが好きだからというのではなくて、偽の木目調が安っぽいからだ。底が合板だから特に痛々しい。

ほかにも仕掛けはある。背面のUSBポートで、USBメモリからMP3を直接再生できる。キーボードは取り外しできる。3.5mmジャックのライン入力がある。それに、USBポートからはiPadの充電もできる。

価格は86ドル。



[Apple IはApple社が一番初めに作ったパソコン(1976年)。筐体は無く、キーボード、ケース、トランスを自分で用意して組み立てなければならなかった。当時の生産台数は200台とごくわずか(うち、売れたのは約170台)で、現在ではほとんど存在していない。画像はWikimedia Commonsより]



TEXT BY Charlie Sorrel

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