車が信号無視する確率を予測できるというアルゴリズムを、マサチューセッツ工科大学の研究者らが開発した。研究者らの試算によれば、こうした予測が可能になれば、車両間(V2V)通信を利用して車どうしを連携させることで、米国の交差点で毎年発生している数百万件の衝突事故と7,000件の死亡事故を防げるようになるかもしれない。

研究者らは、米運輸省の支援を受けて、バージニア州クリスチャンバーグにある交通量の多い交差点で、車の速度と位置の追跡調査を実施した。その調査データを利用したところ、交差点に近づいてきた車が信号無視をするかどうかを、衝突が起こる可能性のある2秒前までに、85%の精度で予測することに成功した。

このアルゴリズムを使用して15,000台以上の車をテストした結果、現在のアルゴリズムと比べて15~20%精度が向上することがわかった。

しかし、ドライバーが何らかの警告システムに統合されていない限り、予測モデルは何の役にも立たない。V2V通信(日本語版記事)技術の出番はここにある。ローカル無線ネットワークを利用して他の車と通信している車は、交差点に近づくドライバーに注意を促し、侵入すると危険な目に遭う可能性があることを警告できるのだ。

「違反行為をするドライバーが近くにいることに気づかない可能性があるので、信号が青になっても、発進しない方がいいと警告されるようになるかもしれない」と、このアルゴリズムの共同開発者で航空学および宇宙航空学教授であるジョナサン・ハウは言う。

開発者らによれば、衝突事故が発生する1~2秒前に警告音を鳴らせば、ドライバーは対応するための時間を十分に取ることができるため、必要以上に用心しなくても済むようになるという。

交差点衝突事故防止機能は、V2V技術を搭載した車を購入したくなるほど、消費者にとって魅力的になるかもしれないとハウ氏は考えている。他の車と通信する車の数が増えるほど、この技術の価値は高まるからだ。

MITニュースの記事

TEXT BY Keith Barry

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