ネットワールドは2011年12月5日、VMware仮想サーバーの高可用性(HA)構成を安価に実現するミドルウエアの新版「StorMagic SvSAN v4.5」を販売開始した。新版では、必要になるサーバー機を2台に減らして、VMware製品にかかる費用を下げた。価格は、最小構成となる容量2Tバイトで24万9800円(税別)。開発会社は、英StorMagic。

 StorMagic SvSANは、iSCSI(IP-SAN)ストレージである。VMwareの仮想アプライアンスとして実装してあり、VMware ESXを動作させた物理サーバー機のきょう体の内部で、ESXやほかの仮想サーバー機から見た外部ストレージとして機能する。

 最大の特徴は、別のきょう体(VMware ESX)上にあるStorMagic SvSANとの間で、データのミラーリングをとれること。これにより、通常であれば共有ストレージを必要とするVMwareの機能、つまり、仮想サーバーのHA(高可用性)やvMotion(異なる物理サーバー機への仮想サーバーのマイグレーション)が可能になる。共有ストレージを安価に代替することを狙う。

 今回の新版では、StorMagic SvSANの価格はそのままに、VMware環境のライセンス費用を下げられるようにした。具体的には、VMware ESXを3台用意するためのライセンス「VMware Essentials Plus」(ネットワールドの場合で60数万円)の代わりに、VMware ESXを2台用意するライセンス「VMware Essentials」(ネットワールドの場合で20数万円)で済むようにした。

vSphere要らずでESXの台数を3台から2台に減らした

 VMwareのライセンスが安く済む理由は、運用管理ソフトであるVMware vSphereが必要なくなったこと。従来版(StorMagic SvSAN v4.4)の場合は、VMware HAによるフェールオーバーの際に、ローカルセグメント上にVMware vSphereが必須となっていた。このため、仮想サーバー稼働用の2台と合わせて、合計で3台のVMware ESXを立てるのが一般的だった。新版(v4.5)では、これを不要にしたことで、VMware ESXは2台だけ用意すればよくなった。

 なお、VMware ESXを2台運用できる安価なライセンスであるVMware Essentialsの場合、VMware標準機能のHAが使えない。このため、StorMagic SvSAN自身がHA機能を提供するようにした。独自のHA機能によって、VMware HA同様のホットスタンバイができる。