図●JPNICが無償提供を始めた「IPv6テストベッド」の概要(JPNICの資料より引用)
図●JPNICが無償提供を始めた「IPv6テストベッド」の概要(JPNICの資料より引用)
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 日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)は2011年12月5日、IPv4アドレスの枯渇に備えてIPv6インターネットへの移行準備を進めたい企業や団体など向けに、IPv6技術の検証を実施できる環境「IPv6テストベッド」を無償で提供開始したことを発表した。提供期間は2013年3月までを予定している。

 同テストベッドには、IPv4およびIPv6を使ってインターネットに接続可能(full routeを提供)でファイアウォールやロードバランサー、各種サーバーなどがあらかじめ設置された検証用ネットワーク環境が用意されている()。

 大規模プロバイダのIPv6ルーティング試験からデータセンター事業者のIPv6移行検証作業、個人ユーザー向けのIPv6接続環境テスト(例えばTCPフォールバック問題やマルチプレフィックス問題など)まで、様々なシナリオに基づいたテストを実施できるという。

 申し込みに当たっては、JPNICの会員である必要はなく、IPv6技術を検証したい企業や団体のネットワーク担当者なら誰でも申し込める。申込書に利用機材やテストしたいネットワークのトポロジー情報などを記載してメールで申し込むと、利用可否が通知される。

 テストベッド設置場所は慶應義塾大学新川崎タウンキャンパス。施設設備費用などは必要ないが、機材持ち込みの場合、輸送費は参加者が負担する。検証期間は利用開始から1カ月程度を想定しているという。

 なお、テストを実施する際には、IPv6に関する高度な知識を持ち、同テストベッドの運営に協力している「IPv4アドレス枯渇対応タスクフォース」および「IPv6普及高度化推進協議会」のメンバーから、検証システムの設計やコンサルティング、検証作業補助などの面で協力を得られるという。