韓国Samsung Electronicsと米Appleとの特許係争に関して、オーストラリア連邦裁判所は現地時間2011年11月30日、Samsungに対する販売差し止めの仮処分を覆す判決を下した。

 米英メディア各社(Wall Street JournalFinancial Timesなど)の報道によると、オーストラリアの裁判所は10月13日にSamsungの「Galaxy Tab 10.1」に特許を侵害されたとするAppleの主張を認め、オーストラリアでの同製品の販売を禁じる仮差し止めを言い渡していた。しかし今回、裁判所の判事は全員一致で仮処分が適切でないと判断したという。

 年末商戦に製品を投入しなければ致命的な打撃を被ると考えていたSamsungにとって今回の裁定は歓迎すべきものだ。しかしGalaxy Tab 10.1の販売再開は12月2日まで待たなければならない。一方Appleは高等裁判所に上訴する意向を見せている。

 AppleとSamsungは、スマートフォンやタブレット端末の特許を巡って世界各国で法廷闘争を繰り広げている。2011年4月にAppleが米カリフォルニア州でSamsungを提訴したことに始まり、イタリア、フランス、韓国、日本などで訴訟を起こしている。9月にはドイツの裁判所がSamsungに対し同国での販売を禁じる命令を言い渡している(関連記事:「Galaxy Tab 10.1」にドイツで販売差し止め命令、Samsungは控訴へ)。