日本マイクロソフトは2011年11月30日、無料WebサービスWindows Live内で提供しているオンラインストレージSkyDriveの機能強化を発表した。ファイルのアップロードや移動・コピー、共有などをより簡単にする新機能を追加した。アップデートはこの数日のうちに行われ、全てのユーザーが新機能を利用できるようになる。
まず、複数のファイルを一括処理できるようになる。ファイル名の左側にチェックボックスが用意され、これにチェックを入れて選択した複数のファイルを、まとめて移動/削除/ダウンロード可能になる。これまではファイルを1個ずつしか処理できなかったため、SkyDrive上でファイルを整理しにくかったのを改善した。
フォルダーやファイルの名前変更も容易になる。従来はメニューを選んだ後、いったん別のページに移動して新しい名前を入力する必要があったが、Windowsのエクスプローラーと同様、フォルダーやファイルの一覧画面のまま、その場で変更できるようになる。フォルダーの新規作成も同様で、「新しいフォルダー」の文字をクリックすると、別のページに移動することなく、その場でフォルダーが作成され、名前を入力できる。
また、右クリックメニューに対応した。フォルダーやファイルを選択して右クリックすると、「ダウンロード」「移動」「削除」などのメニューが開き、エクスプローラー感覚で操作できる。WordやExcel、PowerPointのファイルでは、「ブラウザーで表示」「ブラウザーで編集」というメニューも表示され、Webブラウザー上で動作するWebアプリ版のオフィス「Office Web Apps」で開くことが可能だ。
SkyDrive上のファイルを他人と共有する機能も強化される。ファイルを選択し、ページ右側のメニューまたは右クリックメニューで「共有」を選ぶと、「電子メールの送信」「投稿先」「リンクの取得」という3つのタブを持つダイアログが開く。「電子メールの送信」では、相手のメールアドレスとメッセージを入力して「共有」ボタンを押すだけで、ファイルへのリンクを相手に送信できる。「投稿先」を選ぶと、FacebookやLinkedInなどのSNSにファイルを投稿できる。「リンクの取得」では、「リンクを知っている人だけが表示可能」「リンクを知っている人だけが表示と編集が可能」「Web上の全てのユーザーが表示できるように公開」という3段階に分けて、ファイルの置き場所を示すURLを取得できる。なお、SkyDriveではこれまで、フォルダー単位でしか共有(公開)を設定できなかったが、今後はファイル単位できめ細かく設定できる。
次世代のWeb標準技術といわれるHTML5への対応も進めた。これにより、ブラウザー上に表示させたフォルダー画面に、パソコン上のファイルをドラッグ・アンド・ドロップするだけで、ファイルをアップロード可能になる。従来からInternet Explorer(IE)では、プラグインのSilverlightを組み込むことでドラッグ・アンド・ドロップは可能だったが、その際はいったんアップロード専用画面に移動する必要があった。今後はSilverlightが不要になるほか、フォルダー画面に直接ファイルをドラッグ・アンド・ドロップできるようになる。
ただし、現行のIE9は、ドラッグ・アンド・ドロップを可能にするHTML5の技術に対応していないため、この機能はChrome、Firefox、Safariなどでのみ利用できる。IEは次期版のIE10で対応する。