写真●提携を発表するTwitter日本代表の近藤正晃ジェームス氏(左)とミクシィ代表取締役社長の笠原 健治氏
写真●提携を発表するTwitter日本代表の近藤正晃ジェームス氏(左)とミクシィ代表取締役社長の笠原 健治氏
[画像のクリックで拡大表示]

 2011年11月30日、ソーシャルネットワークサービス(SNS)大手のミクシィとTwitterが提携することを発表した。今回の提携により、連携した新サービスの開発やmixiの既存サービスにおけるTwitter連携の強化などを実施していく。

 提携のきっかけは3月に発生した東日本大震災。震災時の連絡や情報交換にSNSが活躍したことは知られているが、「Twitter社代表の近藤さんと話をして、お互いに連携していればもっといいサービスを提供できたのではないか、というところから始まった」(ミクシィ代表取締役社長の笠原健治氏、写真右)という。

 具体的には、同日から開始した「mixi Xmas 2011」で提携内容を具体化させている。mixi Xmasは、mixi上の友人といっしょにお互いのページにある靴下のベルを鳴らすことでポイントを獲得するmixiアプリである。このアプリ内のメッセージ機能で、mixiボイスに加えてTwitterのつぶやきとしても発信できるようにする。Twitter上につぶやく際には「#ベルを鳴らそう」というハッシュタグを自動的に付加。このハッシュタグを使ってmixi Xmasに参加しているユーザーをTwitter上で簡単に探せる。さらに、Twitterが10月から開始している広告メニューの一つ「プロモトレンド」を使って、このハッシュタグをTwitterトップページのトレンド部分に露出させることでアプリへの集客を促進する(12月2日と12月18日の2回)。

 年末年始や母の日など季節的なイベントの際に同様の連携を実施していくほか、緊急時や災害時に役立つサービスを開発していく。さらに今後、Twitterで相互フォローしている人に対してmixiの友だち申請ができる機能や、mixi日記をTwitterのつぶやきとして投稿する機能を開発して、mixi上に実装することを計画している。Twitter日本代表の近藤正晃ジェームス氏(写真左)も、「今後いろいろなことを協力していきたい。今回はその第一弾」と語る。

 mixiはもともと友人からの招待制で始まっており、顔見知りや仲のよい友達とつながるプライベートなコミュニティ部分で強みを発揮しているSNSである。これに対し、Twitterは世界中のどこからでも見える形で情報を公開し、必要な人は誰でも見つけられるようにするというのが基本的な方針だ。こうした相互の強みをうまく組み合わせて、競争の激しいSNSの世界で存在感を高めていこうというのが今回の提携の狙いである。

 対象とする範囲が大きく異なるため、そのギャップについていけないユーザーもいるかもしれない。例えば、これまでプライベートな部分に対して発信していた情報が、世界中に流れることに対して違和感を覚える人もいるだろう。こうした疑問については、「新しい機能はオプトイン方式で提供されるので、利用するように設定しない既存のmixiユーザーにとっては何も変わらない」(ミクシィ メディアビジネス本部ビジネス推進2部の新田剛史部長)形にするという。