BIG-IP 11000の外観
BIG-IP 11000の外観
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 F5ネットワークスジャパンは2011年11月30日、レイヤー7スイッチ(負荷分散装置)のハイエンド機種の一つとして、L4スループットよりもアプリケーション固有の高速化に力点を置いた機種「BIG-IP 11000」を発表した。2011年12月に販売・提供を開始する。価格は、2040万円(税別)。

 BIG-IPは、負荷分散装置(ロードバランサー)である。WAN高速化やデータキャッシュなど、各種のWeb高速化/ネットワーク高速化機能を兼ね備える。今回のBIG-IP 11000は、既存製品「BIG-IP 11050」(2210万円)とともに、BIG-IPシリーズのハイエンドに位置する機種の一つである。

 新機種のBIG-IP 11000と既存機種のBIG-IP 11050は、価格や性能などが同等であり、それぞれ性格付けが異なる。BIG-IP 11050は、L4スループットを重視した機種である。BIG-IP 11000の24Gビット/秒に対して、2倍の42Gビット/秒で通信できる。一方、BIG-IP 11000は、アプリケーション固有の高速化を図っている。

 BIG-IP 11050と比較したBIG-IP 11000の優位点は、大きく三つある。(1)ハードウエア圧縮機能を備え、HTTPデータ圧縮の性能を高めている(ハードウエア圧縮スループットは16Gビット/秒)。(2)主にWAN高速化を意識して、アプリケーション固有のプロトコル最適化を図っている。(3)データキュッシュなどの性能を高めるためオプションでSSDを追加できるようにしている、といった点である。

 なお、BIG-IPはラックマウント型のハードウエアプラットフォームであり、シャーシ型の「VIPRION」がBIG-IPよりも上位に位置している。VIPRIONでは、CPUコア単位の負荷分散とリソース分割が可能。一方、2011年9月に提供開始した現行版のOS「BIG-IP v11」では、BIG-IPを複数台クラスタリング構成で束ねて論理的に1台として運用し、性能と可用性を拡張できるようにしている。