写真●Automotive Linux Summit
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 「自動車はモバイルインターネットデバイスになる。自動車産業をオープン化する」(トヨタ自動車 第1電子開発部主査 村田賢一氏)--。2011年11月29日、横浜で開催されたイベント「Automotive Linux Summit」でトヨタや独BMWの開発担当者が自動車でのオープンソースソフトウエア(OSS)活用について講演した。

 同イベントを開催したのはThe Linux Foundation。Linus Torvbalds氏がフェローとして在籍するLinux普及推進のための非営利団体である。Automotive Linux SummitはThe Linux Foundation初の、自動車におけるLinux活用をテーマとしたイベントとなる。

トヨタ、「オープン化でより多くの開発者を呼び込む」

写真●トヨタ自動車株式会社 第1電子開発部主査 村田賢一氏
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写真●トヨタが米国で披露したダッシュボードのスマートフォンサービス
写真●トヨタが米国で披露したダッシュボードのスマートフォンサービス
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 トヨタの村田賢一氏は、「Opening Up the Automotive Industry - Open Innovation for IVI, and Beyond」と題し講演した。IVIとは、In-Vehicle Infotainment、すなわち車載情報端末である。トヨタが2011年の東京モーターショーで展示したコンセプトカーが示すように、自動車は情報端末を目指し進化している(関連記事:【東京モーターショー】トヨタ、「スマートフォンにタイヤを付けた」コンセプト車「Fun-Vii」を発表)。村田氏は、トヨタが作成したコンセプトビデオを示し、スマートグリッドやスマートフォンとも連携する未来の自動車の姿を説明した。

 トヨタは2011年7月、The Linux Foundationにゴールドメンバーとして参加した。次世代車載システムへのLinux採用を見据えてのことだ(関連記事)。実は、村田氏の前職はソニーで、PlayStation3のプロジェクトである、Linuxベースの「Cell OS」開発責任者。このキャスティングからも、トヨタの目指す方向が見えてくる。

 トヨタがLinuxの採用を検討する理由のひとつは、自動車産業を横断する協業による開発だ。自動車であれば必ず要求される機能は、企業を超えた共同開発によりコストを削減し、品質を高める。そのためにはオープンなプラットフォームである必要がある。

 そしてもうひとつの理由が、より多くの開発者を呼び込むことだ。そのために「自動産業をオープン化する」と村田氏は言う。