写真●香港パックネットのビル・バーニーCEO
写真●香港パックネットのビル・バーニーCEO
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 アジア地域で海底ケーブルなど通信サービスを手掛けるパックネットサービス・ジャパンが2011年11月29日、コンテンツ・デリバリー・ネットワーク(CDN)サービス「Pacnet CDN」の提供を開始した。海底ケーブル運用やアジア圏の国際通信サービスを手掛ける同社にとって、商用CDNサービスへの参入は初めてとなる。

 香港パックネットのビル・バーニーCEO(写真)は、アカマイ・テクノロジーズやライムライト・ネットワークスといったCDN大手との差異化ポイントとして、「我々は自社保有する海底ケーブル、IPネットワーク、データセンターといった通信インフラと、CDNサービスを組み合わせて提供できる」とワンストップのサービス提供を挙げた。

 Pacnet CDNはCDN事業者である米EdgeCastの技術を採用した。「EdgeCastのソフトウエアスタックをそのまま利用している」(ジョン・ベスタル CDNプロダクト バイスプレジデント)。そのため「ディープキャッシング」と呼ぶ技術を利用できる。キャッシュサーバーに多くのコンテンツをキャッシュして、他社サービスよりも高いキャッシュヒット率を実現するというものだ。

 パックネットはEdgeCastの技術を採用するCDN事業者の組織「Open CDN Federation」にも参加する。これにより、数社のCDN事業者と相互にCDNインフラを利用しあえる契約を結んでいるという。

 料金は非公開。「かなりインパクトのある値付けにする」(パックネットサービス・ジャパンの田所博文CEO)と表現するにとどまった。