フィリピンの国家警察犯罪捜査隊(CIDG)は現地時間2011年11月24日、米連邦捜査局(FBI)と協力して、米AT&Tなどの携帯電話をハッキングした容疑でフィリピン人グループを摘発したと発表した。容疑者は、サウジアラビアのテロリストグループへの資金援助に関わっていた。

 CIDGは、サイバー犯罪対策部門およびFBIと、11月23日にマニラ市内の数カ所を捜索し、4人を逮捕するとともに、ハッキングに使用したとみられるコンピュータと通信機器を押収した。

 CIDGの説明によれば、ハッキンググループは、2008年にインドのムンバイで実行されたテロ活動の資金源となっている組織から手数料を受け取り、AT&Tを含む複数の通信会社のPBXに侵入したという。同組織はハッキングした携帯電話回線を利用してお金を盗み、テロリストの口座に送金した。

 CIDGは今回のハッキングでAT&Tが被った損害は約200万ドルとしているが、米メディアの報道(New York Times)によると、AT&TおよびFBIは詳細な被害を明らかにしていない。

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