写真1●千代田区内の試験会場ではIPAが開所式を開催
写真1●千代田区内の試験会場ではIPAが開所式を開催
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写真2●藤江一正理事長らが自らCBTを体験
写真2●藤江一正理事長らが自らCBTを体験
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 経済産業省が所管する独立行政法人の情報処理推進機構(IPA)は2011年11月25日、CBT(コンピュータによる試験)方式を用いたIT分野の国家資格試験「ITパスポート」を始めた。CBTは、問題用紙や解答用紙の代わりにPCを使って実施する試験。国家資格試験でCBTを用いるのはITパスポートが初めてという。

 東京・千代田区内の試験会場ではIPAが開所式を開催。IPAの藤江一正理事長ら関係者が出席し、自らもCBTを体験した(写真1写真2)。

 CBTは紙による受験と比べて受験会場や受験回数を増やしやすく、受験者にとっては場所や時間の制約が大きく緩和される利点がある。ITパスポート向けのCBT会場は47都道府県に計101カ所を用意。各会場では1日に3回の受験機会を設けた。これまでITパスポートの試験は春秋の年2回の一斉開催で、会場も大都市に限られていた。

 合否判定や採点結果がすぐ示せるのもCBTのメリット。CBTは受験者がPC上で問題を読み、解答を入力する。ITパスポートでは、試験の終了後に、PC画面上に合否判定などを示すようにした。

 受験結果を統計的に分析することで、問題の難易度や受験者のばらつきに左右されにくい、公平な合否判定も可能になったという。

 なおCBTを導入した「ITパスポート」は、情報システムの利用者などを想定し、ITを利活用する基礎力を認定する国家資格。IPAが実施している12種類のIT関連資格では最も難易度が低く、上位資格の入門編に位置付けられる。