都内で講演するマイケル・ウッドフォード元社長(中央)
都内で講演するマイケル・ウッドフォード元社長(中央)
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 不正会計問題に揺れるオリンパスのマイケル・ウッドフォード元社長は2011年11月24日、東京都内で英エコノミスト誌主催の講演会に参加した。席上、同氏はオリンパスが決算を提出できず、12月にも上場廃止の可能性があることについて「上場廃止は従業員にとっても株主にとっても利害関係者にとってもよくないこと」と指摘。その上で、不正取引にかかわった取締役はすべて退任すべきとし、それと並行して全容解明のために調査は長くかかっても続けていくべきと強調した。

 さらにウッドフォード氏は、企業統治の改善のために外部取締役を増やしていくべきとの考えを示し、「株価が大幅に下落したことについて、海外の株主はモノ申すのに、国内の株主からは何の申し立てもない。これは日本企業の株式持ち合いによるもので、産業の活力をなくす」と警告した。オリンパス問題を通して、企業統治や株式構成など日本企業の特異性を印象付ける考えだ。

 ウッドフォード氏は、オリンパスの中核事業である内視鏡などの医療機器事業について「企業価値を高める非常にいいビジネス」と、事件を受けても競争力を保てるとの認識を示した。

 ウッドフォード氏は23日に来日し、検察庁や警視庁などに情報提供したという。25日も外国人特派員協会で講演し、オリンパスの社長を解任された経緯などについて語る見通しだ。