写真1●SBID 8070iの外観
写真1●SBID 8070iの外観
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写真2●画面に手書きでマークを付けられる
写真2●画面に手書きでマークを付けられる
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 日本スマートテクノロジーズは2011年11月24日、液晶ディスプレイとタッチセンサーを組み合わせた70インチの大画面ディスプレイ「SBID 8070i」を提供開始した(写真1)。専用の会議ソフトを動作させたWindows PCを接続して利用する。価格(税別)は、本体が362万円、移動型スタンドが85万円。開発会社は、カナダのSMART Technologies。

 SBID 8070iは、会議用途の、光学式タッチセンサー機能を組み込んだ大画面液晶ディスプレイ装置である。ディスプレイ表面に赤外線の幕を張り巡らしてあり、画面の一部にタッチして赤外線が遮断されると、画面の四隅に設置したカメラでこれを検知して位置を割り出す仕組み。オフィス文書を表示させながら画面上に手書きで情報を入力する、といった使い方ができる。

 SBID 8070iとWindows PCを、専用のUSBケーブル「GoWire」で接続して利用する。USBケーブルには専用の情報共有/会議アプリケーション「SMART Meeting Pro Premium」(7万7000円)が含まれている。SBID 8070iとつないだUSBケーブルをWindows PCに挿入するだけで、アプリケーションをインストールすることなく情報共有/会議アプリケーションを起動できる。

オフィスソフトの画面に手書きでデータ入力可能

 SMART Meeting Pro Premiumの機能は、以下の通り。画面のタッチ操作(マルチタッチ可能)を、アプリケーション操作やマウス代わりに利用できる。Microsoft Office(Excel、Power Point、Word)の画面に手書きでデータを書き込み、これをオフィス文書として更新保存できる(またはPDFなどの別形式で保存できる)。文字を認識して文字データに変換できるほか、手書き文字を画像として扱うことも可能である(写真2)。

 別途、Web会議サーバーソフト「Bridgit」を導入すると、SMART Meeting Pro Premiumの画面を利用してWeb会議に参加できる。複数の会議室や遠隔拠点にSBID 8070iやパソコンが分散した状況で、Web会議ができる。また、同社の開発者ネットワークの会員になると、SDK(ソフトウエア開発キット)を利用できる。SDKはC++/C#/Visual Basic/Java用のライブラリであり、これを使うと、SBID 8070iを入力装置として利用するアプリケーションを簡単に開発できる。

 なお、同社の会議用ディスプレイには、今回のSBID 8070iのように液晶ディスプレイと光学式タッチセンサーを一体化した液晶一体型のほか、プロジェクターによる前面投影型ホワイトボードや、ディスプレイ上部にプロジェクターを取り付けたホワイトボード、既存の液晶ディスプレイに上からタッチセンサーをはめ込むオーバレイ型の製品などがある。液晶ディスプレイとタッチセンサーを組み合わせた一体型の製品としては、今回のSBID 8070iが初めて。

MSKKが大手町のブリーフィング施設にSBID 8070iを2台導入

 SBID 8070iの導入事例として、日本マイクロソフトが2011年11月初旬、東京大手町にある企業向けブリーフィング施設「大手町テクノロジーセンター」に、2台のSBID 8070iを導入した。オフィス文書の表示と手書き文字の入力を通して、ユーザー企業向けの講演セッションや会議などを、より円滑に行えるようになる。同センターでは、年間1000回以上のセッションを実施しているという。

 なお、大手町テクノロジーセンターのほか、米Microsoftが保有する世界16カ所の「Microsoft Technology Center」(MTC)で、SMART Technologiesの会議用ディスプレイを導入する。これは、2011年10月28日に合意したMTCのハードウエアアライアンスプログラムを受けたものである。