図1●徳島県の県庁システムと「自治体OSSキット」(徳島県の資料より引用)
図1●徳島県の県庁システムと「自治体OSSキット」(徳島県の資料より引用)
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写真1●Joruri Gwの画面
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写真2●DECOの画面
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写真3●AiSAMの画面
写真3●AiSAMの画面
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写真4●徳島県が作成した「自治体OSSキット」パンフレットの表紙
写真4●徳島県が作成した「自治体OSSキット」パンフレットの表紙
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写真5●徳島県の「自治体OSSキット」パンフレット
写真5●徳島県の「自治体OSSキット」パンフレット
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 徳島県は2011年11月18日、独自開発し県庁で利用中のソフトを「自治体OSSキット」としてパッケージ化したと発表した。自治体OSSキットはホームページ作成/グループウエア・ソフトの「Joruri」、オンラインストレージ・ソフトの「DECO」、内部統制管理ツールの「Ai」などで構成され、いずれもRuby on Railsで開発されている(図1)。

 徳島県は、県の方針としてオープンソース・ソフトウエア(OSS)による情報システム開発を推進している。OSSの活用によるコスト削減と同時に、県内のIT産業の活性化を目的としている。すなわち、県のシステムをOSSを活用して県内のIT企業が開発。開発したシステムはOSSとして公開し、県内IT企業がシステムの改良や保守を受注するというスキームだ。実際に、Joruriを開発した徳島県の企業アイ・ディ・エスは、阿波市や徳島大学などのホームページのリニューアルを受注している。

 Joruriは、ホームページ作成ソフト「Joruri CMS」、グループウエア・ソフト「Joruri Gw」(写真1)、ウェブメール「Joruri Mail」で構成され、OSSとして公開されている。徳島県庁は、以前にはホームページ作成およびグループウエアとしてLotus Notesを利用していたが、現在ではJoruriに移行している。Joruriは、山形県寒河江市、群馬県館林市、青森県平川市、北海道北見市、島根県邑南町、長崎県西海市、愛知県瀬戸市、大阪府交野市といった自治体のほか、NPOや企業でも採用されている(Joruriの導入事例)。

 DECO写真2)はオンラインストレージ・ソフトである。徳島県はDECOをOSSとして公開するとともに、自治体向けにLGWAN-ASPとして提供している。ウイルスチェック機能や暗号化機能を備え、自治体セキュリティポリシーに抵触しないという。またファイルの世代管理機能を備え、誤って更新したり削除したりしてしまったファイルを復元することができる。

 Aiは、ソフトウエア資産管理およびインベントリ情報収集ソフトである「AiSAM」(写真3)、ファイルサーバー・ソフト「AiFSS」、認証基盤管理「AiLMS」からなる。OSS上に構築されているが、Ai自体はOSSではなく商用ソフトウエアとして開発元の日本システム開発が販売している。AiSAMはクライアントにインストールしたエージェントソフトウエアで情報を収集し管理する。AiFSSはLinuxサーバー上にSambaで構築したWindows互換ファイルサーバーで、アクセス権限管理やログ管理などを行う。AiLMSはLDAPに対応し、職員マスターデータから情報を自動収集する機能などを備えた認証基盤である。

 徳島県ではこれらを「自治体OSSキット」と名付け、パンフレットを作成して県のホームページで公開した(写真4、5)。県ではパッケージ化することにより、導入の拡大を目指している。

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