世界半導体市場の売上高予測(米IHS iSuppliの速報値)
世界半導体市場の売上高予測(米IHS iSuppliの速報値)
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 電子機器・部品の市場調査会社、米IHS iSuppliが現地時間2011年11月17日に公表した世界半導体市場調査(速報値)によると、2011年の市場全体の売上高は前年に比べ1.2%増となる見通し。景気低迷などの悪条件でありながら、第3四半期は前期比で3.5%増と持ち直し、これが2011年のプラス成長に寄与するとしている。

 東日本大震災の影響で日本の半導体メーカーの売り上げが落ち込み、第2四半期は業界全体の売上高を2.5ポイント以上引き下げる要因となった。しかし、その後の復旧に向けた取り組みが奏功し、第3四半期には回復を見せている。

 第4四半期については、多くの半導体メーカーが売り上げ減を予測しているが、米Intel、韓国Samsung Electronics、ルネサスエレクトロニクス、米Qualcomm、米AMDといった主要メーカーが堅調な成長を見込んでおり、業界全体の減少幅を縮小させるとIHS iSuppliは見ている。

 タイの洪水被害については、第4四半期にハードディスク装置(HDD)の出荷台数が30%減少すると予測する。これがパソコンの出荷台数を減らし、半導体業界には2012年第1四半期に影響が出ると同社は見ている。

 2011年の半導体市場を分野別に見ると、前年比伸び率は、マイクロプロセッサ、イメージセンサー、NAND型フラッシュメモリーがぞれぞれ約15%。またセンサー、アクチュエータ、ASIC(特定用途向け集積回路)、ディスクリート部品がそれぞれ5%と、市場全体の伸び率を上回る。一方で、DRAM、SRAM、NOR型フラッシュメモリー、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)などは、15%減となる見通し。

 用途別で見ると、車載電子機器、工業用電子機器、無線機器の分野が最も高い伸びを示し、これら機器向け半導体製品の伸び率は7.3~9.1%になるとIHS iSuppliは分析している。

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