写真1●米Virtual BridgesでAPACのVPとManaging Directorを務めるJim Clark氏
写真1●米Virtual BridgesでAPACのVPとManaging Directorを務めるJim Clark氏
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 オリゾンシステムズは2011年11月17日、オープンソースの活用によってライセンス費用を抑えたデスクトップ仮想化(VDI)ソフト「VERDE v5.5 SP-2」を出荷した。価格はオープンだが、日本IBMによる販売価格は同時使用1000台で625万円。開発会社は米Virtual Bridges。販売目標は2億円。

 ハイパーバイザー(サーバー仮想化ソフト)、コネクションブローカー、仮想マシンイメージのプロビジョニング(配備)、という基本機能から、共通イメージと個人設定からなるストレージ領域の節約や、仮想マシンイメージをダウンロードして端末側で実行する機能まで、VDI製品に求められる機能を一通り備える。製品にはエディションがなく一つの製品で全機能が使える。

 最大の特徴は、ライセンス価格が安いこと。パートナーの1社である日本IBMのVDI構築製品「Open Virtual Client」の場合、1ユーザーあたりの価格(1000ユーザー時)は、VERDEが6250円、Citrix XenDesktopが3万2200円、VMware Viewが2万5400円である。オリゾンシステムズの表現では「同一構成の競合製品(XenDesktopやVMware View)より40%ほど安い」としている。

 「製品の成熟と価格の低下によって、VDIを導入するメリットが出やすくなった」と市場の状況を説明するのは、米Virtual BridgesのJim Clark氏(写真1)。2006年頃にVDI製品が出始めたときには、期待感は大きかったものの、初期導入費用がかさんだり、運用費用がかさんだりするなど、仮想化によるメリットが出しにくい状況だったという。VERDEでは、オープンソースの採用などによって導入費用を抑えた。

 VERDEの構成と稼働環境は、以下の通り。VERDEのサーバーソフトは、各種Linux上で動作する。デスクトップ機となる仮想マシンはKVM上で動作する。仮想マシンの上で動作させるOSは、各種Windowsと各種Linux。利用できる画面情報端末プロトコルは、SPICE、RDP、NXの三つ。

 一方、VERDEに接続するクライアントソフト(JavaアプリケーションまたはJavaアプレット)の稼働OSは、各種Windows、各種Linux、MacOS X。これらに加えて、iOS用のクライアント「iVERGE」も、App Storeで無償配布している。Android用は近日提供予定という。