NTTドコモは2011年11月16日、非接触IC決済サービスを提供するトランザクション・メディア・ネットワークス(TMN)に対し、3億2250万円を出資すると発表した。払込日は2011年11月17日でNTTドコモの出資比率は20%になる。

 出資の狙いは、2012年度冬を予定しているモバイル非接触ICサービスの提供開始に向け、国内においてFeliCaとTypeA、Bの全規格が利用可能な基盤整備を行うためとしている。TMNが提供している非接触IC決済サービスはNFCに準拠しており、このサービスを利用することで、店舗などに設置する1台の読み取り端末で、FeliCaとTypeA、Bといった異なる規格を扱うことができるという。

 またTMNのサービスは読み取り端末側ではなく、センターサーバー側で決済処理を行う「シンクライアント型決済サービス」であるため、端末を簡素化できる。その分端末価格を低く抑えることができ、店舗が決済端末を導入しやすくする狙いもある。

 さらにNTTドコモは、新しい決済サービスへの追加対応が容易になるとしている。これは今後、例えば国内や海外の電子マネーおよび非接触クレジットカードによる決済サービスを追加で導入したい場合に、わざわざ別の読み取り端末を用意する必要がなく、同じ端末およびセンターサーバー側にサービスを追加するだけで対応できることを指している。

 TMNは2011年8月からシンクライアント型決済サービスを提供しており、現在はQUICPayとiD、Suica(いずれもFeliCa方式)で決済が可能になっている。NTTドコモ出資後のTMNの資本構成は、三菱商事33.44%、トヨタファイナンシャルサービス27.96%、NTTドコモ20%、NTTデータ12.4%、インターネットイニシアティブ6.2%となる。

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