HULFT on WebのWeb画面(ファイルアップロード画面)
HULFT on WebのWeb画面(ファイルアップロード画面)
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 日立システムズは2011年11月15日、HULFTと連携するSaaS型のファイル転送サービス「HULFT on Web」を開始した。このサービスを使うと、取引先企業がWebブラウザー経由で登録したファイルをHULFTで基幹システムに転送する、といった使い方ができる。

 セゾン情報システムズが開発した二つのファイル転送ソフトを、日立システムズのデータセンターで動作させ、SaaS型のファイル転送サービスとして提供する。具体的には、TCP/IP上で動作する企業向けファイル転送ソフト「HULFT7」と、Webを介してファイルを転送/交換できるようにするソフト「HULFTクラウド」を利用する。

 ファイル転送ソフトHULFT7の最大の特徴は、基幹システムのデータ連携用途を狙っていること。PCからメインフレームまで稼働環境が豊富なほか、指定した時間に確実にファイルを届ける機能や文字コードの変換機能、あらかじめ定義したレコードフォーマットに変換する機能などを備える。EBCDICやIBM漢字、NEC漢字など独自の文字コードも扱える。

 もう一つのHULFTクラウドは、Web経由でファイルを交換できるようにするWebアプリケーション。送信者と受信者の間で、Webブラウザーを使って安全にファイルを受け渡すことができる。データの登録などをトリガーにして、HULFTやメール、他のアプリケーションと連携することも可能。また、Web APIを用いて専用クライアントを開発できる。

 二つのソフトをサービス化したHULFT on Webでは、Web経由でファイルを登録/ダウンロードしつつ、バックエンドでHULFTを介して他のHULFTシステムにデータを受け渡すことができる。これにより、取引先の担当者から直接Webにデータを登録してもらい、HULFTに受け渡してデータ変換後、基幹システムに登録する、といった運用が可能になる。また、Web経由以外に、ユーザー企業などのHULFTとの間で、IP-VPN、広域イーサネット、専用線を介して通信できる。

 HULFT on Webを利用するには、HULFTクラウドとHULFT7の利用料金が別々にかかる。HULFTクラウドは初期費用が21万円(税込、以下同)から。月額費用は、基本料金が5万2500円。このほかに、ユーザーIDあたり1050円(最低契約数は2ユーザー)がかかる。ディスクは、1Gバイトまで無償で利用でき、最大50Gバイトまで1Gバイトあたり月額1050円で拡張できる。一方、HULFT7の利用料金は個別見積もりとなる。