写真●講演する積水化学工業の寺嶋一郎 コーポレート 情報システムグループ長
写真●講演する積水化学工業の寺嶋一郎 コーポレート 情報システムグループ長
[画像のクリックで拡大表示]

 「グローバルで『見える化』の仕組みを整備したことで、実績を日次で把握できるようになった」。積水化学工業でITを統括する寺嶋一郎 コーポレート 情報システムグループ長は、千葉で開催中の「CIO Japan Summit 2011」でこう強調した(写真)。

 積水化学は海外展開の加速を背景に、海外で売買が成立すると電子メールが自動的に送信され、情報を国内で一元管理できる仕組みを構築した。これにより、従来は月次でしか把握できなかった実績値を、日次で確認できるようになった。

 寺嶋グループ長は「海外の実績をリアルタイムに入手できるため、事業部門の担当者が日々の業務で利用するだけでなく、マネジメント層が経営判断を下すためにも使っている」と効果を話す。

 今後、積水化学はこうした見える化の仕組みを利益に直結させていきたいという。寺嶋グループ長はその例として、各拠点の実績値に為替などを加味してシミュレーションし、最適な生産地などを決める仕組みの整備を挙げた。「2013年には海外のITシステムを国内と同水準にしたい」(寺嶋グループ長)。