日本IBMは2011年11月10日、米Akamai Technologies(日本法人はアカマイ・テクノロジーズ)のネットワークを使ってIaaS上に配置した社内アプリケーションやSaaSなどのクラウドアプリケーションを企業内から高速に利用できるようにするサービス「IBM WebSphere Application Accelerator for Hybrid Networks」を発表した。11月30日に提供開始する。

 価格(税別)は、インターネットに接続する物理拠点当たり、年額3946万8000円(0.5Mビット/秒)から。別途、キャッシュ機能を備えたWeb高速化装置(負荷分散装置/アプリケーションデリバリーコントローラー)である「WebSphere DataPower Edge Appliance XE82」(715万円)が必要になる。

 アカマイ・テクノロジーズのネットワークサービスを利用して、クラウド経由で提供されているアプリケーションの応答速度を高速化する。具体的には、世界中に設置した9万5000台以上のサーバーと1900以上のネットワークから、最も短時間でアクセスできる経路を選択する。さらに、データの圧縮や分割配信などを実施する。

 今回、アカマイ・テクノロジーズのネットワークを利用する仕掛けを、Web高速化装置のWebSphere DataPower Edge Appliance XE82に組み込んだ。同装置を介してインターネットにアクセスする際に、自動的にアカマイ・テクノロジーズのネットワークを利用するかたち。なお、同装置自身のデータキャッシュ機能やトラフィック分散機能を組み合わせることで、アプリケーションをより高速に利用できる。

 なお、これまでアカマイ・テクノロジーズのネットワークを使ったサービスは、コンテンツ配信事業者向けのものに限られていた。インターネットにアクセスする利用者に向けた高速化サービスは、今回の取り組みが初となる。今回のIBMと同じ形態のサービスとして、2012年前半にはWAN高速化装置ベンダーの米Riverbed Technology(日本法人はリバーベッドテクノロジー)が同様のサービスを提供する予定である。