WOWOW代表取締役社長の和崎信哉氏は2011年11月10日に定例会見を開催した。今回は、2011年10月に同社が稼働させた新スタジオの「WOWOW渋谷ステーション」(東京・渋谷)で行われた。

 同社は2011年10月3日から、新スタジオを活用してニュースショーの「ザ・プライムショー」を放送している。さらにこのスタジオは、放送番組に関連するUstream向けのオリジナル番組の制作と配信にも使われている。オリジナル番組の配信が行われている時間帯には、「出演者の様子をスタジオの窓越しに見ながら、自分のタブレット端末で配信中の番組を視聴する人の姿も見られる」という。会場ではその時間帯で生配信中のボクシング関連番組の動画を紹介した。このほかに新スタジオは、WOWOWを多くの人に知ってもらったり、加入者との接点を強化したりする場として活用されている。「先日はハリー・ポッターの展示を行った」(常務取締役の黒水則顯氏)という。

 和崎氏は、2011年10月の加入件数についての考えも示した。10月の加入者数は3万2554件の純増となった。「ここしばらく10月は純減が続いていたが、3チャンネル体制への移行の効果もあり今回はプラスになった」という。「最近になって解約件数を抑制できるようになってきており、このトレンドが続いている」という見方も示した。

 説明終了後、和崎氏らと報道陣の間で質疑応答が行われた。和崎氏は本誌の質問に答える形で、ノンスクランブル放送についての考えを述べた。「現在、平日に約2時間のノンスクランブル放送枠を設けているほか、連続ドラマの第1話などを提供している。これ以上、ノンスクランブルで提供する番組の本数を増やそうとは考えていない」という。そのうえで、「我々のようなスクランブル放送を展開する事業者にとっては、個々の番組を多くの人に告知することが課題であり、この取り組みはまだ足りないと思っている。まずは我々が3チャンネル体制に移行したことを知ってもらいたい。どのような方法があるか、検討している」とした。

 BS放送チャンネルが2011年10月に24チャンネルになり、2012年3月には31チャンネルとなる影響については、「2011年および2012年は各事業者が力を合わせてBSを見る人を増やそうという段階であり、加入者の争奪戦という状況にはならないと思う」という。2013年以降については、「アライアンスや競争が起こることはあり得る」という見方を示した。