トッパンフォームズは2011年11月10日、100%出資による決済サービス会社「TFペイメントサービス」を2011年12月に設立すると発表した。近距離無線通信の規格であるNFCに準拠した決済端末および非接触ICカードの決済クラウドシステムを提供する。決済端末をシンクライアント型にすることで簡素・安価に端末を提供するとしており、これにより容易に店舗などに端末を導入してもらうことを狙っている。

 端末を安価にして普及しやすい環境を整えることで、電子マネー事業者などがサービスを利用する動機付けになると考えている。実際にセブン&アイ・ホールディングスのグループ会社で電子マネー「nanaco」を展開しているセブン・カードサービスが決済サービスの利用を決めている(関連記事)。

 TFペイメントサービスはこのほかの電子マネー事業者やクレジットカード事業者とも提携を考えており、1台の端末で複数の電子マネーやクレジットカードの決済が可能になるようにしていく。同社は店舗など対面での決済だけでなく、自宅など非対面での決済も取り込みたい考え。例えばAndroid端末やパソコンなどの利用者が持つ機器にNFCが搭載されるようになれば、ネットスーパーでの食品の購入や電子書籍といったデジタルコンテンツの購入の際に、自宅でおサイフケータイやICカードをかざして決済してもらうといったイメージという。

 サービス提供は2012年4月からを予定している。TFペイメントサービスの資本金は3億円。代表取締役社長にはトッパンフォームズ 取締役の黒羽二郎氏が就任する。今後は通信事業者やインターネット検索事業者、決済機器メーカーとの提携や資本参加も検討していくという。

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