写真●NECの企業向けAndroidタブレット端末「Android搭載クラウドコミュニケーター LifeTouch B」
写真●NECの企業向けAndroidタブレット端末「Android搭載クラウドコミュニケーター LifeTouch B」
[画像のクリックで拡大表示]

 NECは2011年11月9日、企業ユーザー向けの7インチAndroidタブレット端末の新モデル「Android搭載クラウドコミュニケーター LifeTouch B」(写真)を発売した。独自に強化したセキュリティ機能を搭載していることや、タブレット端末としては珍しくバッテリーの交換が可能なことなどを特長とする。

 価格はオープンで、「インテグレーションやサポート契約なども含めて個別に商談する」(NEC)ため機器単体の価格は出しにくいとしているが、同社では目安として「3万円台後半」という想定価格を提示している。出荷開始は11月末の予定。

 LifeTouch Bは、800×480ドット(WVGA)の7型ワイドTFT液晶モニターを備えたAndroid端末。タッチパネルは静電式で最大4点までのマルチタッチをサポートする。搭載CPUはデュアルコアの「OMAP4430」(動作周波数1GHz)で、メインメモリーは512Mバイト、ROMは4Gバイト(システム領域を含む)となっている。Android OSのバージョンは2.3。

 500万画素のオートフォーカス対応カメラ機能を装備する。内蔵センサーはGPS、加速度、地磁気、照度の4種類。赤外線通信機能も備えており、赤外線リモコンとして使うことも可能だ(アプリの開発が必要)。無線LANはIEEE802.11b/g/n対応で、Bluetoothは3.0+EDRに準拠する(Class 2)。

 搭載しているバッテリー容量は3000mAhで、これが交換可能となっている点がLifeTouch Bの特長の一つとなっている。「ビジネスの現場では、予備のバッテリーをあらかじめ用意しておいて、長時間運用を実現したり、寿命が来たらすぐに交換したりしたいというニーズがかなりある。そうしたニーズに応えるため、本体サイズは若干犠牲になるもののバッテリーを交換できるようにした」(NEC)。バッテリー駆動時間については、「8時間を目標に検証中」(同社)だという。

VPN機能の独自追加や端末管理機能の強化などを実施

 同機のもう一つの大きな特長である「独自に強化したセキュリティ機能」については、同社が8月末から販売しているキーボード搭載型端末「LifeTouch NOTE ビジネス向けモデル」およびとタブレット型端末「LifeTouch セキュリティパックモデル」と基本的に同じだという(関連記事:NEC、独自にセキュリティを強化した企業向けAndroid端末2機種を発売)。

 具体的には、プロキシサーバーを介した通信への対応や指定IPアドレスにのみ接続可能にする「IPアドレスフィルター」の実装、IPsec VPNおよびSSL-VPN接続用アプリの独自追加、不審なアプリのインストール防止や内蔵デバイスの制御、パスワード管理の強化、操作ログ記録機能の追加といった機能追加や強化を図っている。 同一のSSIDを付けた無線LANアクセスポイント間で、電波強度に応じて接続先を素早く切り替えるハンドオーバー機能なども搭載する。

 なお、NECによれば、LifeTouch Bは先行して販売している上記2機種、特に同じタブレット型端末である「LifeTouch セキュリティパックモデル」の後継となる機種ではなく、3機種とも今後も並行して販売していくという。「より実績のあるAndroid 2.2の端末が必要だというユーザーや、ペン入力やハードウエアキー、キーボードを使った業務アプリを使いたいというユーザーに対しては既存の2機種を販売していく」(同社)。

 逆に、そうした事情がない企業ユーザーの場合は、より新しいOSであるAndroid 2.3を搭載し、静電式タッチパネルで指を使った操作がしやすく、バッテリーが交換可能といった特徴を備えたLifeTouch Bを選択するケースが多くなると同社では見ている。