ネットワールドは2011年11月1日、VMwareのアプリケーション基盤「VMware vFabric」の販売開始を発表した。vFabricはAPサーバーやメッセージングサービス、データ管理製品などのミドルウエアで構成。仮想化スイート「VMware vSphere」に最適化してある。vFabricをベースに、Javaフレームワーク「Spring Framework」などを使ったPaaSが構築可能だ。ネットワールドはサイオステクノロジーと協業し、技術サービスの充実を図る。

 vFabricを構成する主なミドルウエアは以下の通り。(1)vFabric tcServer---Apache TomcatベースのJavaアプリケーションサーバー、(2)vFabric Enterprise Ready Server(ERS) / vFabric Web Server---Apache HTTPDベースのロードバランサー / Webサーバー、(3)vFabric RabbitMQ---メッセージングサービス、(4)vFabric GemFire / vFabric SQLFire---分散データキャッシュ、(5)vFabric Data Director---DBプロビジョニング・管理、(6)vFabric Hyperic---統合監視・管理。

 vFabricには、「VMware vFabric Standard」と「同 Advanced」の2種類がある。Standardはtc Server、Web Server、GemFire、Hyperic、Spring Insight Operationsを含み、販売価格は1仮想マシン(VM)当たり16万8126円から。

 Advancedは、StandardにRabbitMQとSQLFireが加わり、販売価格は1VM当たり18万90円からである。各ミドルウエアは単体購入も可能で、vFabric Data Directorは単体のみで提供する。

 購入したライセンスは、その時々で必要なミドルウエアに振り分けることが可能だ。例えば10VM分のライセンスを持っている場合、APサーバー/Webサーバー/DBサーバーの台数を、日中は5VM/2VM/3VMで構成し、夜間は4VM/4VM/2VMに変更して運用するようなことができる。

 クラウド構築に向けて、VMwareが提供する製品スタックは3階建ての構造になっている。1階の「インフラ」はvSphereやvCenterなどから成り、コンピュータリソースを仮想化しリソースプールとして管理する。

 2階に当たるのが「アプリケーション基盤」であるvFabricだ。その上に「プログラミングモデル」を載せ、アプリケーションの開発・実行を支援する。プログラミングモデルは、JavaのSpring Frameworkを提供済み。将来は、RubyやPHPなども使えるようにする計画である。