写真1●AccuRevのメイン画面であるAccuRev StreamBrowser。開発工程ごとのプロセスの流れやブランチ構造をアイコンと線で表現する。
写真1●AccuRevのメイン画面であるAccuRev StreamBrowser。開発工程ごとのプロセスの流れやブランチ構造をアイコンと線で表現する。
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写真2●AccuRevに付属している変更管理(バグ/仕様変更のワークフロー管理)ツールであるAccuWork。修正/変更内容を登録する。
写真2●AccuRevに付属している変更管理(バグ/仕様変更のワークフロー管理)ツールであるAccuWork。修正/変更内容を登録する。
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 テクマトリックスは2011年11月1日、ソフトウエア開発においてソースコードの構成や変更内容を一元管理するバージョン管理ツールの新版「AccuRev 5.2」を出荷した。新版では、複数会社による分散開発などに向けて、アクセス権限機能を強化した。開発会社は米AccuRev。

 AccuRevは、開発中の成果物(ソースコードなど)に加えた修正・変更の内容と履歴を、データベースで一元管理するバージョン管理ツール。仕様変更やバグ修正に伴うソースコードの変更作業や、別バージョンとして派生した分岐開発などを支援する。

 ソースコード開発者や開発リーダーが使うフロントエンドソフト「StreamBrowser」では、開発プロセスの流れと分岐開発の状況を、アイコンと線を用いて木構造で表現する(写真1)。ここで、開発者がソースコードを修正してチェックイン作業を実施すると、関係するプロセスや分岐開発へと自動的に修正が反映される。

 仕様変更とバグ案件を登録してワークフローを回す専用ソフト「AccuWork」が付属する(写真2)。案件の内容と作業者を登録できる。修正すべき複数のソースコードを案件「#1234」といったかたちでパッケージ化し、パッケージ単位で処理することができる。また、開発者同士の作業負荷の分布をグラフ化できる。

チーム開発向けにファイル単位でアクセス制御

 今回の新版では、大きく二つの機能を強化した。

 一つは、ユーザー/グループのアクセス権限の対象を、より細かく個々のファイル/ディレクトリにまで拡大したこと。これまでは開発プロセス(StreamBrowserで表現するアイコン一つひとつ)という大まかな単位でしか制御できなかった。ファイル単位で細かく権限を管理することで、例えば、ライブラリ開発者だけがライブラリのソースコードにアクセスできるといった制御が可能になった。

 もう一つは、StreamBrowserの利用環境として、これまでの専用アプリケーション(またはEclipseやVisual Studioのプラグイン)に、Webブラウザー画面を追加したことだ。Webブラウザー画面は、普段はソースコードを編集しない開発リーダーなどが全体の開発状況を把握する用途に適する。

 稼働環境は、管理サーバーとフロントエンドともに、Windows XP/Vista/7、Windows Server 2003/2008、Linux。StreamBrowserのプラグインは、Eclipse 3.4以降とVisual Studio 2005以降で利用可能。管理サーバー側では、付属するPostgreSQLにデータを格納する。

 ライセンスは、フローティング(同時使用)ライセンスを採用。ライセンスをユーザーに割り当てる期間に応じて二つのエディションを用意した。ユーザーを1週間固定する低額の「スタンダードユーザーライセンス」が19万8000円(税別)、ユーザーを24時間固定する高額の「フレキシブルユーザーライセンス」が25万8000円(同)。