写真●英Royal Berkshire Hospitalで患者がKinectを使ってリハビリテーションをしている様子
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 米Microsoftは米国時間2011年10月31日、同社のゲーム機「Xbox 360」用のジェスチャー入力コントローラー「Kinect」をWindowsで利用できるようにするためのソフトウエア開発キット(SDK)「Kinect for Windows」を商用アプリケーション開発向けに公開する計画を明らかにした。2012年の早期にリリースする。

 商用アプリケーション開発のパイロットプログラムでは、すでに25社のFortune 500企業を含む200社以上が参加しており、その中にはトヨタ自動車、米Houghton Mifflin Harcourt、米Razorfishなどが含まれるという。

 Kinectは2010年11月4日に発売され、最初の60日間で800万台を販売した。カメラやマイク、距離センサーなどでユーザーの動きや声を検知するため、身振り手振りや音声でゲームを操作して楽しめる。2011年6月には、非商用目的に限定したSDKを公開している(関連記事:Microsoft、「Kinect for Windows SDK」ベータ版を公開 )。

 同社インタラクティブエンターテインメント部門インキュベーション担当ジェネラルマネージャーのAlex Kipman氏は「居間で使うゲーム関連デバイスとしてスタートしたものが、1年以内に外の世界に広がった。エンジニアや開発者などは、Kinectの多岐にわたる用途を探っている」と述べている。

 同氏によると、Kinectは医療関連にも活用され、脳梗塞患者のリハビリや、精神的あるいは身体的障害を持つ子どもの学習などに使われている。スペインのTedesysは、外科医が長時間におよぶ手術の最中に、患者の様態を示す各種データをジェスチャーや音声命令で確認できるようにするアプリケーションに取り組んでいる。

 またMicrosoft研究部門の研究者は、Kinect用ジェスチャーの共通ライブラリーを構築し、これを開発者と共有して、プロジェクトをより短期間で進行できるよう支援することも検討しているという。

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