日本オラクルは2011年10月31日、SPARC/Solarisを組み込んだソフト/ハード一体型製品「SPARC SuperCluster」の国内提供開始を発表した(写真1)。
同社が「エンジニアドシステム(Engineered Systems)」と呼ぶタイプの製品であり、「ハード/ソフトをあらかじめ組み合わせて事前検証することで、高い性能や信頼性を実現している」(日本オラクル ビジネス推進本部の白川晃 担当シニアマネージャー)。主な用途は、SPARC上で稼働している既存システムの統合である。
「SPARC SuperCluster T4-4」は、「SPARC T4」プロセッサを採用したサーバー「SPARC T4-4」を搭載。SPARC T4のスペックは、クロック周波数が最大3.0GHz、8個のプロセッサコアを持つ(写真2)。OSは「Oracle Solaris 10」、または2011年11月に提供開始予定の「Oracle Solaris 11」を搭載する。
SPARC SuperClusterでは、「ExadataやExalogicなど実績のあるエンジニアドシステムで得た、DBやミドルウエアを高速に動かすノウハウを、SPARCベースのシステムに広げた」(白川マネージャー)。
例えば、SPARC SuperClusterが備えるストレージコンポーネント「Exadata Storage Cell」は、同社のデータベース専用機「Oracle Exadata」の機能。クラウド基盤製品「Oracle Exalogic」からは、ミドルウエア高速化機能「Oracle Exalogic Elastic Cloud Software」を移植し、Javaアプリケーションの実行性能を高めた。
これらハード/ソフトに加え、ストレージ装置「Sun ZFS Storage」や、Exaシリーズと共通のInfiniBandスイッチなどを合わせて1筐体に収容。すべてのコンポーネントを並列化、冗長化して提供する。白川マネージャーは「事前に製品の組み合わせ検証を行っているので、相性問題に起因するような不具合が少ない。さらに、キャパシティー見積もりやクラスターの切り替え時間といった、実地検証で得たノウハウも提供できる」と、エンジニアドシステムのメリットを説明する。
SPARC SuperClusterでは、仮想化製品「Oracle VM for SPARC」「Oracle Solaris Zones」を無償提供。既存システムを仮想化して統合することを支援する。Oracle VM for SPARCは、複数の仮想ハード(ドメイン)を作り出し、各ドメインで個別のOSを動かせる。またOracle Solaris Zonesの機能により、Solaris 10上でSolaris 8/9を動作させることが可能だ。
SPARC SuperCluster T4-4の最小構成価格(ハードウエア構成のみ)は、フルラックが1億3348万円、ハーフラックが7870万円である。