WOWOWは2011年10月28日、「2011年度第2四半期決算説明会」を開催した。2011年度上半期(2011年4月~9月)の累積加入者数は、4月から6月は東日本大震災およびアナログ契約終了の影響で減少したが、7月から9月は三つのハイビジョン放送体制への移行を10月に控えていることもあり、増加に転じた。2011年度上半期の期末における累積加入件数は243万3303件(前年同期比2%減)だった。

 連結業績は、売上高が327億1600万円(対前年比0.1%増)、営業利益は51億2700万円(同11.4%増)、経常利益は53億7800万円(同6.9%増)、当期純利益は34億500万円(対前年比17.4%増)だった。減収減益を予想していたが、その他収入の増加および効率的な費用投下により、増収増益を達成した。なおWOWOWは2011年10月21日、最近の業績動向を踏まえて、2011年度通期の業績予想の上方修正を行っている。

 今回の会合で代表取締役社長の和崎信哉氏は、第3四半期以降の加入者増に向けて、フルハイビジョン・3チャンネルのメリットを最大限に訴求する方針を示した。この一環として、「WOWOW大開局祭」(2011年10月1~2日開催)で3チャンネルでの36時間無料放送や、「ソーシャルビューイング」および「Webちゃんねる」といったインターネットの活用を行った。これにより、「この期間におけるWOWOWのWebサイトのページビュー数が通常時の5倍の約500万PVになったり、新規加入全体におけるインターネット経由の申し込み件数の割合が増えたりするといった成果を得た」という。

 説明終了後の質疑応答で和崎氏は、本誌からの質問に答える形で、販促活動におけるインターネット活用についての考えを述べた。「これまで番組のプロモーションなどにWebサイトを活用してきた。これにプラスして私が一番やりたいと思っているのは、加入者がより深くコミュニケーションをとることができる場を提供することだ」という。「既に我々は加入者向けのコミュニケーションの場を設けているが、話題を呼ぶような構図にはなっていない。早ければ年明けにも次のステップに進むということも含めて、今、社内で検討を進めているところだ」と述べた。

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